パリ徒然草

パリでの暮らし、日本のニュース、時々旅行、アート好き

セーヌ川沿いをデート 暑すぎて革のジャケット失くしたけれど

  4月12日金曜。急に、暖かくなった。仕事が早めに終わった夫と待ち合わせ、セーヌ川沿いをデート。午後6時半ごろ。

 サン・ミッシェル橋を渡り、シテ島セーヌ川沿い、オルフェーブル通りを歩いた。

 暖かくなると、セーヌ川沿いは夕方、宴会会場のようになる。談笑するグループやカップルでいっぱいになる。

 あれ?船が全然いない。そして、セーヌ川の水かさは増し、歩けない場所も、あった。夫によると、セーヌ川の水かさが増し、船は橋の下を通れないので運航していないらしい。

 

 そして、マロン色のセーヌ川。今夏のオリンピック時に、セーヌ川で泳ぐらしい、と聞いたけど、私はここじゃ、泳ぎたくないなあ。

 シテ島の中のドフィーヌ広場(Square de la place Dauphine)へ。

 私は、そこを歩きながら、ドフィーヌ広場は、ザ・パリ!という場所だなあ、と思った。人の賑わいはあったが、中心部にしては静かな場所。木々に囲まれていて、雰囲気が良い。カフェの制服姿のギャルソン。シテ島というパリの中心部にあるだけあって、ここには、パリのカフェ文化が凝縮されている気がした。

 

 そして、ポン・ヌフ橋へ。

 ポン・ヌフ橋からの眺め。

 

 は!と私は気づいた。着ていた革のジャケットがない。暑すぎて、どこかに忘れてしまったのだ。仕事道具や空の弁当箱に加え、途中で買った初物のメロンがバッグの中にあって、重かった。そのせいで、どこかに置き忘れたのだ。

 

 そこから同じ道をすべて歩いた。後戻りした。しばらく腰掛けたセーヌ川沿いを探したりした。

 

 結局、私は革のジャケットを取り戻した。サン・ミッシェルのレストランに忘れていて、保管していてくれたのだ。ありがとう。

 

 フランスで物を失くして取り戻すのは、これで7回目である。傘、財布、財布とスマホの入ったバッグ、スマホ2回、買ったばかりのシトリンのアクセサリー。すべて失くしたけど、戻ってきた。

 

 私は本当に運がいい。私は物を失くし過ぎという話もある。失くして戻ってきたものは、ラッキーアイテムとして、大事に使っている。

空中散歩気分

 プランタンデパートのテラスからの景色。

 

 気持ちの良い昼下がり。日光浴している人もいた。

 テラスから一階下のプランタンデパートのビーチコーナー。水着がたくさん売られている。

 ギャラリーラファイエットデパートへ移動。

 テラス一階下の本のコーナーへ。

 

 遠くに見えるモンマルトル。

 ちょっとした空中散歩気分。

 ギャラリーラファイエットのドームも相変わらず美しい。

 プランタンデパートとギャラリーラファイエットデパートは隣合わせに建っている。簡単に両方行ける。

 

誕生日プレゼントにiittala(イッタラ)のカステヘルミのグラス

 

 誕生日はずっと、前のことなのだけど、やっと、夫とギャラリー•ラファイエットデパートに出かけることができ、私が選んでプレゼントを買ってもらった。

 

 プレゼントは写真のグラス、イッタラ(iittala)のカステヘルミ、ウルトラマリンブルー。

 

 イッタラ1881年フィンランドに設立されたガラスブランド。買ったのは、1964年に世界的に有名なデザイナー、Oiva Toikka(オイヴァ・トイッカ)によってデザインされた「Kastehelmi(カステヘルミ)」シリーズのグラス。フィンランド語で“露のしずく”を意味するカステヘルミは、その名の通り、まるで朝露のような繊細で美しいドット模様が特徴。

 

 ギャラリーラファイエットデパートで、私が買ったマリンブルーのグラスは30%オフになっていた。早速、お水を飲んだり、クレモンティーヌジュースを飲んだり。

 買った日は、4月8日。4月8日は私の誕生日ではないが、お釈迦様の誕生日で花祭り。パリの公園にも、たくさん花が咲いていた。

 

イッタラの日本の公式サイト

https://www.iittala.jp/products/list.php?category_id=27

大傑作の映画「怪物」

 大傑作の映画を見た。

 

 凄い。日本映画であることを超えて、世界中で観て欲しい映画だ。最後、泣いた。隣りにいた若いフランス人女性3人も泣いていた。感動。

 私が生涯で見た日本映画で一番かもしれない。そして、ちゃんと、2023年が描けている。

 カンヌ映画祭脚本賞を受賞したのも、うなづける。細部にもこだわっている。すべての登場人物の背景を想像させる。映像なのに、人の心という目に見えないものを描けている。

 

 小さなボタンの掛け違いが生む誤解、愛するが故に見えなくなる死角、誰かを守りたい故に誰かを「怪物」にしてしまう人間の心理。それらが繊細に描かれる。そして、「詩(ポエム)」もある。参ったなあ、という映画。観て良かったね、と夫と話した。意見は一致した。

 

 そして、タイトルもいい。タイトルは「怪物」。そのタイトルをミスリードだと言う人もいるけれど、やっぱり、タイトルは「怪物」であるべきだと思う。

 

 私はフランスの映画館で見たので、「Linnocence(無垢)」という映画として、見たのだが、なぜ、monstre(怪物)というタイトルにしなかったのだろう?私は「怪物」という映画として、観る方が良い気がした。怪物を探しながらドキドキしながら、見た方が、いいと思う。

 

 物語構成は、芥川龍之介の小説「藪の中」、またその映画化である黒澤明監督作「羅生門」に似て、真相がわからない一連の出来事を3人の当事者の視点から語り直す手法が採用されている。

 

 安藤サクラが演じるシングルマザー・早織が、小学生の息子・湊が担任の保利(永山瑛太)からモラハラと暴行を受けていると確信し学校側へ説明と謝罪を求める第一章。第二章は保利、第三章は湊の視点で、同じ事象が描かれる。各人の考え方感じ方や立場によって事象のとらえ方が変わってくる、言い換えるなら“認知のゆがみ”が生じうることが描かれる。3つの視点によって一度信じたものを崩され、どの人にも見えない死角があることを自覚させられる。

 

 たとえば序盤、早織に感情移入して観るなら校長や教員らの心のこもらない釈明や謝罪は役人の答弁のように感じるが、保利先生ら学校側から語り直すパートでは早織がモンスターペアレントのように映る。

 

 そして、湊と依里(より)という二人の少年の健気さ、愛らしさ。無垢ゆえの悲劇。

 

 余韻が残って、ラストについて、数日考えた。そして、是枝裕和監督が「脚本の1ページ目に『世界は、生まれ変われるか』という一行を書きました」と語っていたことを知った。私の中で、ラストはハッピー・エンドである。この二人の少年の心を守れるよう世界が変わるべきだー私自身がそう祈ったことが答えなのだ。

  

 ロケ地も素晴らしい。長野の諏訪市を舞台にしているのだが、真ん中に湖のある。夜には湖がぽっかりと開いた黒い大穴のように見えて、その闇に吸い込まれそうな気分になる。あの闇には何があるのかと考えたくなる。あの街の真ん中の闇のように見ようとしてもなかなか見えないものが、社会にも人間関係にも必ずあると示唆しているようにも見える。

 

 私はエンドロールで撮影協力した団体等の名前を撮影した。

 火事の映像といい、映像としても、力がある映画だった。suwa volunteer fire corpsも協力したとある。諏訪市消防団も協力したのだ。

 

 そして、ラストに流れる坂本龍一(昨年3月28日没)のピアノ曲Aqua。この曲は坂本龍一が娘の坂本美雨さんに作った曲なのだそうだ(私の持っている坂本龍一のCD「US」に坂本龍一自身の解説があって、そう書いてあった)。美しい雨。まさに、美しい雨という映画のラストでもあった。この映画が坂本龍一の最後の映画作品にもなった。

 

坂本龍一演奏のaqua

https://youtu.be/gSuHD4jzNJ0?si=P38DQH2MBd6Mgl_q

 

坂本美雨が歌うこの曲

https://youtu.be/HS_Qrx4lT8c?si=IGyfSY_111opD9lu

 2024年3月17日鑑賞。

チュイルリー公園の爽やかさ

 チュイルリー公園の木に白い花が咲いていた。なんて爽やかなんだーと思いながら写真を撮った。

 緑と白とブルーのコントラスト。

 好い「気」に溢れている。

 

 パリのど真ん中、ルーヴル美術館コンコルド広場の間──北はリヴォリ通り、南はセーヌ川という素晴らしいロケーションにあるチュイルリー公園。

 

 歴史的建造物に指定され、1991年にはセーヌ河岸地区の一部としてユネスコ世界遺産に登録されている。ルーヴル美術館もすぐ横。広大な公園です。

【写真は2024年3月後半に撮影】

復活祭そして夏時間へ

 今年の復活祭は、3月31日。翌日の4月1日はフランスでは、祭日。今年の復活祭の我が家は静か。去年と違って、義家族は集まらなかった。91歳義母がお友達たちと1週間のブルゴーニュ旅行へ出発したためだ。

 

 私は夫と二人で、パリをぶらぶら。雨が降りそうになって、パリ6区のカフェLes Éditeursに入って、2度目の軽い朝食。

 Les Éditeursの大きな窓からパリらしい街並みを眺めながら、傘の数を数えた。復活祭では、羊を食べるのよね、と話したり…。

 

 クロワッサンとショコラショーをいただいた。

 その後、リュクサンブール公園へ。

 春のリュクサンブール公園は花で彩られ美しかったが、まだ寒いし、いつ雨が降り出すか分からないので、早めに、帰路についた。

 

 復活祭らしいことを1個だけやろうと思い、復活祭らしいチョコレートを買った。

 復活祭では、卵、ウサギなどのチョコレートがチョコレート屋でも、スーパーでも売られている。買ったのは、写真のジェフ・ド・ブルージュのチョコレート↑。量り売りで9ユーロほど。なかなか美味で、食べるのが楽しかった。

【ビオショップのショーウインドー↑】

 3月31日から夏時間に変わった。日本との時差は7時間になった。いよいよ本格的春の到来である。

 

メモ 復活祭は、基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため、年によって日付が変わる移動祝日である。日付は変わるものの、必ず日曜日に祝われる。キリスト教が優勢な国においてはその翌日の月曜日も休日にされていることがある。(ウィキペディアより)

 

義家族が一堂に会した去年の復活祭

https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2023/04/10/201749

春が来たー

 来たー。春がやって来た。

 室内で働いていることが多かったせいか、休みの日に限って天気が悪かったせいか、灰色のイメージだった2月、3月。

 

 しかし、3月20日、21日、22日は天気が良い。22日は最高気温18度と春らしい陽気。重いコートを脱いでジャケットやセーター、Gジャンで歩く人が増え、Tシャツ1枚の人すら見かけた。

 写真はパリ市内のビュット・ショーモン公園。

 

 ブルーとグリーンの世界。

 白い花の清楚さが加わる。

 残念ながら人工の池は工事中で水が抜いてある。