6月16日正午ごろ、モンマルトルに行った。
人がほとんどいなかった。
びっくり。いつも大勢の人々で賑わっているイメージだからだ。
サクレクール寺院に入ると、そこは観光地ではなく、祈りの場で、信者でなくとも、心洗われる気がした。
【サクレクール寺院内部】
観光客のいないモンマルトルはパリ市内ではなく、小さな村のように思えた。これはこれで素敵な場所だとも思った。
これは、まだパリの日常じゃない。
いや、それとも大勢の観光客で賑わっていたモンマルトルの方が異常だったのだろうか。
【テルトル広場。広い面積がレストランのテラスになっている】
ピカソ、モディリアーニ、コクトー、藤田などの画家がこの辺りに集っていた1920年代のエコール ド パリの時代にふと、タイムスリップしたようにも感じた。
帰りに、バスに乗った。1台目のバスは人が多いので乗らなかった。10分程度待って2台目に乗ったが、1メートル間隔はもう守られそうにない、というくらいには人が、乗っていた。立っている人たちはぎゅうぎゅう詰めで、座っている人は1人で2席陣取るなんて本末転倒だろうというくらいには、さらに乗客が乗って触れ合うくらいになった。
大勢の人々がいる中、隣にいる乗客の1人が、マスクを外して、大声で、お金を恵んでくれるよう叫び出した。その叫びがモンマルトルの静寂を切り裂いて行くように感じた。