一昨日のフランス統一地方選では、環境政党「ヨーロッパエコロジー・緑の党」が躍進した。マクロン大統領の与党「共和国前進」が惨敗した。パリのイダルゴ市長(社会党、緑の党)は49%の票を獲得し再選された。
https://www.sankei.com/world/news/200629/wor2006290010-n1.html
私からみると、経済や治安が心配なのに、それに街をもっと清掃した方が良さそうなのに、フランス人はそんなことより、今、ここで地球環境問題を選ぶんだなあ。
ニュースを見ていると、自動車や飛行機の利用を減らそう、という流れを感じる。CO2排出削減のために、政府の補助金によって短距離フライト路線を廃止検討するなどがその例だ。私はコロナだからこそ、移動時間が減って他人との接触時間が減る飛行機や自家用車がいいと思うのになあ。
最近のパリはイダルゴ市長の方針もあって、自動車に厳しくなり自転車王国だ。正直、私は以前に比べて非常に歩きにくい。時間帯によってはパリの街を歩くだけで緊張する。縦横無尽に歩道まで猛スピードで走り回る自転車に凄く気を使って怪我しないように歩いている。
先日は、目の前で、白人女性の乗った猛スピードの自転車と黒人男性の犬ピット•ブルがぶつかり、犬が巻き込まれるのを目にした。犬は狂ったように吠え、黒人男性は怒っていた。その地域は黒人の方が多いので、複数の人が黒人男性や犬を応援しようという雰囲気で、怖かった。
信号は青だったし、私も犬と同じように前に進んでいたかもしれない。そうすれば犬より前に猛スピードの自転車にぶつかっただろう。自転車も速度を落とすべきだったろう。自分の安全のために、信号だけを信じるのではなく、左をじっくり見て自転車を確認したので、進まなかったのである。
同じように歩道を歩いていても、自転車やスケート、ベビーカーや車椅子などとぶつからないよう緊張して歩いている。妙なトラブルに巻き込まれないように注意してもいる。相変わらず話しかけて来る人も多い。ゴミ箱を漁っている人たちもよく見かける。外出制限令は解除されたが、外出するのも緊張するなあ、疲れるなあ。
ふと、地球温暖化は存在しないと主張していたノーベル化学賞受賞者のことを考えた。キャリー•マリスについてである。キャリー•マリスは、言わずと知れた新型コロナウイルスによってその名を耳にするようになったPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査の開発者である。
キャリー•マリスは、ノーベル賞受賞後、フロンガスによるオゾン層破壊や地球温暖化を否定し続けた。日本で同じことを言っている人は武田邦彦教授だ。
本当に地球は温暖化しているのか、地球温暖化というのがCO2によるものなのか、分からないと言っている人はたくさんいる。
本当に地球温暖化はしているのか?—徹底検証
http://monosirazu.com/globalwarming/
キャリー•マリスは破天荒な人だった。サーフィンと女性が大好きで、女性とドライブ中にPCR検査を思いついた、とか、ノーベル賞受賞時も、サーフィンの最中だった、とか、話題には事欠かない。
https://1000ya.isis.ne.jp/0072.html
今、キャリー•マリスが生きていたら、何と言うだろう。想像してみた。
「今を楽しめ。波に乗るんだな。
人間も自然の一部でしかない。
大したことはできないんだ。
だから思いっきりやって大丈夫だよ」(私の想像)
うーん、自転車避けながら、おどおど歩く私とは正反対で、羨ましい。せっかく外出制限令解除されても、午後9時以降は出かけていない。数日前も誘いを断った。
残念ながら、コンフィヌモン(外出制限令)後、私自身が外で見聞した数々のことが、あるいは友達から聞いた話が私の行動を変えつつあるのだ。治安が心配だから夜は出かけられない、と。
夜間外出禁止令のことを Couvre-feu(クーヴル•フ)とフランス語で言う。自分で自分にクーヴル•フ発令中。
今は日が長いからいいが、今年の秋や冬はどうしているだろう。そうなってしまった自分が、とても悲しい。
追記
私は「中国人が持ち込んだ」と言われただけでしたが、友達の話によると、パリ市内で突然、見ず知らずの人から、そう言われながら、一緒にいた友人(中国人でも日本人でもないアジア人)が暴力を振るわれるのを目撃したそうです。お気をつけください。