パリ徒然草

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リュテス円形劇場にローマ時代の残酷さを思う

 パリ5区に来たので、久しぶりにリュテス円形劇場(Les Arènes de Lutèce)に行った。ガロ・ローマ文化時代に作られた円形闘技場の遺跡で、今は公園になっていて子供たちがサッカーなどをして遊んでいる。

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 紀元1世紀に古代ローマによって建造され、17,000人を収容し、剣闘士の闘技会に用いられていう。イタリアの首都、ローマと違ってパリにはこんなに昔の遺跡はたくさんは残っていない。クリュニー浴場跡(2世紀後期から3世紀初め)とともにパリに残るガロ•ローマ時代の貴重な遺跡でもある。

 紀元1世紀というとローマのコロッセオの建設と同じ時期だなあと思って説明板を読んだ。

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 昔、ローマに観光で行って、コロッセオを見学し、ガイドさんの説明を聞き、あまりの残酷さに、ローマがあまり好きではなくなったことを思い出した。

 猛獣同士の戦い、犯罪人の公開処刑、剣闘士同士の試合。流血の残酷なシーンを見学して大富豪から貧民まで、熱狂すると聞いて気持ちが悪くなった記憶がある。

 パリの闘牛場も、今は子供が遊んでいるただの公園だけど、紀元1世紀のころ、やっていたことはコロッセオでやっていたことと同じなんだろうか。

 今では、フランスは日本と違って、死刑制度を廃止した国。長い年月をかけて社会は変わって来たのだ。。

 今、テレビでは新しい内閣が話題だが、新しい内閣では、「無罪請負弁護士」として人気がある弁護士エリック・デュポン モレッティ氏が法相に就任した。

 トゥールーズユダヤ人小学校を2012年に襲撃したテロリストや、経済相を勤めながらスイスに隠し口座を持っていたジェローム・カユザックなど、社会の「憎まれ者」の弁護でも有名だという。

 一方で、フランスのバイヨンヌという街では、マスクをしていないことを乗客に注意したバスの運転手が逆上した5人の乗客に殴られ、7月6日に死亡した。

https://www.excite.co.jp/news/article/Fumumu_168694/

 公開処刑も見たくないけど、何でも無罪になるのも、どうなんだろう。難しい問題だ。ガロ•ローマ文化時代の遺跡を見ながら、考えた。

 
参考記事
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%86%E3%82%B9
https://fr.m.wikipedia.org/wiki/Thermes_de_Cluny