パリ徒然草

パリでの暮らし、日本のニュース、時々旅行、アート好き

店では客が働く。監視されながら ありがとうの言葉もない。

 マスクをしてスーパーに行く。

入口で手をアルコール消毒。その間もガーディアンに監視されている。
  
 商品を決めたら、自動レジに行く。レジ係がやっていたように、客が品物のバーコードを機械にかざす。脇で係員に監視されている。ときどき、機械の不具合で操作が分からなくなっても、すぐには対応してくれる係員はいないことが多い。

 店を出るとき、ありがとうの言葉はない。ただ、警報音が鳴って、監視員に呼び止められると、万引を疑われ荷物検査を受けることになる。

 IKEAに行った。今のキッチンの大きさをしっかり図った紙を持ってキッチンシステムを相談してお願いしようとしたら、20台ほどあるパソコンの一台のパソコンに、案内された。係員は自分で入力してくださいね、とその場を去った。

 名前や住所を入力して部屋の大きさや窓やドアのある位置まで入力し終えた段階で、見積もりを知ろうと、係員を呼んだら、その質問にはもっとすべて入力してから出ないと答えられない、とのこと。設計士やインテリアコーディネーターのような仕事をパソコンを使って自分でしないと、相談もできないいのだった。

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IKEAで案内されたパソコンの置かれたスペース】

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【部屋の大きさまでは頑張って入力したが...】

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/00975/

 日本では5月にスーパーシティ法案が可決された。

 「住民目線の住みよい未来都市」と聞こえはいいが、要するにAIやドローンを駆使したデジタル化と人件費の削減だ。監視社会でもある。

 より安くの効率主義、人権費削減の中で、人と人との触れ合いはだんだん薄くなっていた。それは新型コロナウィルス以前から始まっていたものだ。

 最初に、レジ係のいないスーパーの話を聞いたのは、15年くらい前だった。日本ではホテルマンのいないホテルもあるようだ。ネット通販というのも、これに、良く似たものだ。

 人によるサービスがなくなっていき、客のパソコン作業が増え、機械オンチな人間は取り残される。それが望んでいた進化だろうか。

 豊かになっている気がしないのは私だけか?約20の商品をレジに通しながら、じっと手を見る。