ユダヤ問題に関心なかった。そんな私がアーサー•ケストラーの「The Thirteenth Tribe」(1976年)のフランス語版を手にした。
1990年、この本を 「ユダヤ人とは誰か 第十三支族・カザール王国の謎」として日本に紹介したのが宇野正美氏だ。宇野氏の講演をYouTubeで聞いたのがきっかけだった。
宇野正美氏の講演
3分40 秒ごろ、宇野氏は「ヒトラーがユダヤ人を虐殺した。嘘です」「ヒトラーは本当のユダヤ人を虐殺してない」と言う。
えっ?!とびっくりして、聞き入ってしまう。
宇野氏は「虐殺したのは"偽のユダヤ人"」と言う。ちょっと言い過ぎじゃない?大丈夫か?
「彼らは、カザール人なのです。ある時、ユダヤ教に改宗した。私はユダヤ教徒カザール人と言えばいいのに彼らは、自分たちはユダヤ人だと言った」
この本は「偽ユダヤ人が良心の呵責の中で自分の心を全部打ち明けた本だ」と言う。
いやいや、偽ユダヤは言い過ぎでは。ケストラー尊敬されているのに。
「見よ、サタンの会堂に属する者、すなわち、ユダヤ人と自称してはいるが、その実ユダヤ人でなくて、偽る者たちに、こうしよう」(ヨハネ黙示録3章9節)
宇野氏は引用しながら、2000年前の聖書に、ユダヤ人と偽る者たちがいる、と書いてあると言う。ほお、聖書にそんなことが書いてあるんだー。さらに、その人たちは「サタンの会堂に属する者」、それって悪魔崇拝者???
宇野氏によると、日本では「ユダヤ人とは誰か 第十三支族・カザール王国の謎」はネットで中古本しか手に入らない(そして、お値段は4000円以上から)。フランス語訳のこの本は図書館で読めた。日本の図書館には置いてあるのだろうか?
日本語版の説明には「1500万ユダヤ人の9割を占める東欧系ユダヤ人は、『聖書』の民、セム系・ユダヤ人ではなかった。『ホロン革命』のケストラーが自らのルーツを探り、世界のタブー=ユダヤ人問題に挑戦」とある。
ケストラーは、ハンガリー出身のユダヤ人でありながら、この「The Thirteenth Tribe」(第13支族)で、アシュケナージ(Ashkenazi)
ユダヤ人のルーツはユダヤ教に改宗したカザール人(ハザールとも発音)であると主張した。アシュケナージとは、ヘブライ語でドイツの意味。
ちなみにフランスでは、この本もケストラーも知られているようだ。パリの図書館にも何冊かあったし、タブーという感じはなかった。
宇野氏は日本の原発はイスラエルの会社が管理している、とも言う。恥ずかしながら私はそんなことすら知らなかった。うわー、知らなかった、という情報をたくさん教えてくれる。
https://youtu.be/KGHkv1sHuqk
(日本の原発のセキュリティ管理の話、7分頃に語っています)
例えば、この動画でも
2分30秒
宇野氏は、アメリカのトランプ大統領の愛読書は「聖書」で、だからイスラエルを祝福するのだ、と言う。トランプ大統領は「イスラエルへの献身的な愛」で知られている。2017年12月にはエルサレムをイスラエルの首都と承認、今年8月にイスラエルとUAE=アラブ首長国連邦がトランプ政権の仲介で国交を正常化することで合意したなあ。
ちなみに、アシュケナージについて違う意見もあり、今も論争になっている。
(宇野氏やケストラーと違う意見もあることが書かれているブログ)
千夜一冊 「13支族」の解説
https://1000ya.isis.ne.jp/0946.html
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%B1%E3%83%8A%E3%82%B8%E3%83%A0
それでも、アーサー•ケストラーの本をフランス語で読もうと、私に思わせてくれたのは、ユダヤ人の問題に関心を持たせてくれたのは、宇野正美氏のYouTubeの講演だ。
そうでなければ、ただマレ地区のシナゴーグの前を通り、黒い帽子で黒いスーツのユダヤ人たちとすれ違うことはあっても、深く考える、知ることはなかったと思う。
ありがとうございます。そしてYouTubeもありがとう。