パリ徒然草

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U2のOneを聴いた夜

 テレビから聞き慣れた音楽が鳴った。あれ、さっきまで、マクロン大統領出席の荘厳な式だったのに、どうしたの? 私は同時に台所で料理していて、テレビ画面は見えていない。こないだも、聴いてたU2の曲だ。

 

 フランス・パリ近郊で、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を教材として生徒たちに見せた教師サミュエル・パティさん(47)が首を切断されて殺害された事件で、パティさんに敬意を表する国民追悼式が20日、パリのソルボンヌ大学中庭で開かれた。

 

 テレビはそれを写していて、パティさんのご家族の希望で、ご本人のお気に入りの曲の一つだった、U2のOneという曲が選ばれたのだ。約500人が式に参加する美しい式だった。

 

 フランス語だが式の様子はこのサイトにある動画でも見れる。

https://www.huffingtonpost.fr/entry/hommage-national-a-samuel-paty-lentree-emouvante-du-cercueil-de-samuel-paty-sur-one-de-u2_fr_5f908439c5b61c185f468aef

 

 深夜、私は、Oneの収録されたU2のアルバム「Achtung Baby」(1991年11月リリース)のCDを聴いている。このCDは、外出禁止令が3月に出たおかげで、家にいるようになってから、聴いてなかったCDを引っ張り出して見つけたものだ。日本で流行しているらしい“断捨離“してなくて、使わない物も捨ててなくて良かった! 

 

 いいアルバムだな、とちょうど思っていたんです、パティさん、ありがとう。

One、いい曲ですよね。私も好きな曲です。

 

 歌詞の中の

「We’re one, but we’re not the same

Well, we hurt each other, then we do it again」
(俺達は一つ、だけど同じじゃない
互いに傷つけ合い、そしてやり直す)

 

が心に滲みます。

 

YouTubeでOneをどうぞ。

https://youtu.be/ftjEcrrf7r0

 

 数年前、アイルランドのダブリンに1人旅したことを思い出した。U2のメンバーのボーノとエッジが経営していると言われるホテルで食事した。食事は平凡だったけど、とてもきれいなホテルで、お手洗いがとてもきれいだった(フランスのお手洗いが酷すぎるのかもしれない。イギリスでもお手洗いの清潔さに感動した)。

 

 ダブリンの街のバーのあちこちで昼間から生演奏が聴けて、3ユーロでギネスビールを頼んでいくつものバーをはしごしてロックを聴いた。いい思い出だ。U2を聞きながら、思い出すと、情景が蘇り、一瞬でダブリンにいるような気持ちになれる。

 

 そのアイルランドがロックダウンと聞いた。ベルギーではレストランやカフェが閉まってしまった、とも。イギリスでも飲食店の夜間営業が禁止されている。スペインの首都マドリードでは通学や通勤を除く都市の出入りが制限されている。ヨーロッパを新型コロナウイルスの第二波が襲っている。