パリ徒然草

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核兵器禁止条約が発効へ 嬉しいニュース

 久しぶりに嬉しいニュース! 

 

 核兵器保有や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約(TPNW)について24日、50番目となる中米ホンジュラスが批准し、発効の条件となる50カ国・地域が批准したことから2021年1月に発効することとなった。

 

 米英仏中ロの核保有国と、日本や韓国など米国の「核の傘」に頼る国々は参加していない。

 

 唯一の被爆国日本が批准していないのが、悲しい。被爆者団体は悲願として求めているのに。被爆者たちの年齢もますます上がっているのに。

 

 ちなみに日本全国の自治体の4分の1を超える495の地方議会が、日本政府に署名や批准を求める意見書を採択している。

 

 日本政府は日米安保条約があり、米国の核による抑止、いわゆる「核の傘」の下にいるから批准していないようだ。アメリカが納得しないから参加しない、と言っている人がいるようだが、トランプ大統領が何と言うか、質問してみたらどうだろう。そもそも、批准する自由は独立国家だからあるのだ。

 

 私の頭の中に、トランプ大統領プーチン大統領とともに署名しているイメージが浮かんだ。一時期、米中関係を心配したが、今ではトランプ政権が米中分離を進め、自国の製品を中国人が販売できるようになったようで中国人にトランプ大統領は人気があるらしいとも耳にした。

 

 トランプ政権についてこの4年間戦争をしなかったことを評価する声がある。アメリカの覇権は崩壊しつつある。米国が政権転覆を試みたり軍事占領をやってきた国々で、米国の力の衰退や撤兵が起きている。米国全体がコロナ危機に襲われて世界支配どころでない中で、トランプ政権は静かに世界から手を引いている。次はアジアからの撤退ではないか、という見方をしている人もいる。

 

 では、フランスの態度は、というと、マクロン大統領は、今年2月、エリゼ宮核兵器はフランスの防衛戦略の中心に位置付けられており、「今日も、フランスの独立、自由、行動決定権を保証するものだ」などと話していた。(ouest franceのネット記事で確認)国営放送フランス2のテレビニュース、13時と20時を聞いたが、このニュースは取り上げられもしなかった。

 

 EU諸国では、オーストリアアイルランドが批准している。EUキリスト教の国々だが、バチカンも批准している。グリーン(緑の党)と総称される環境保護勢力の政党が躍進していることもあり、環境保護の観点からもEU内での論議が進む可能性があるかもしれない。

 

 小国ばかり、核兵器攻撃の脅威がない非核保有国だけが批准している、と言う人もいるが、まずは一歩前進である。脅威がない国々も、自然を破壊し、地球の運命まで左右しかねない、非人道的な核兵器国際法違反だと言っているのだ。国際社会の中で、この問題が注目され、機運を作っていくことを期待したい。

 

参照記事

https://www.ouest-france.fr/environnement/nucleaire/ce-qu-il-faut-savoir-sur-le-traite-international-interdisant-les-armes-nucleaires-bientot-en-vigueur-7028429

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E5%85%B5%E5%99%A8%E7%A6%81%E6%AD%A2%E6%9D%A1%E7%B4%84