パリ徒然草

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ひなあられを食べて祝おう

今週のお題「雛祭り」

 お題をいただいて、「ひなまつり」の思い出を思い巡らせた。子供の頃、毎年、雛人形の七段飾りを母が、畳の居間に飾ってくれた。

 

 子供のころの私は着物だとか日本的なものがとても好きで、ひなまつりもとても好きだった。桃の節句。女の子の節句。季節は春。絨毯の赤。桃のピンク。色も陽気でわくわくする。

 

 母が「ひなまつり過ぎたら雛人形片付けないと嫁に行き遅れる」と言って雛人形を急いで片付けていた。私は「せっかく部屋が華やかになったんだから、そんなに慌てて片付けなくてもいいじゃないの」と思っていた。

 

 ひなまつりだからと言って、特別なお祝いをした、特別なものを毎年食べていた記憶はない。忘れてしまってだけなのだとしたら、両親に、母に、とても申し訳ないのだが。5月5日の子供の日に柏餅を食べていたのは覚えている。ひなまつりの菱餅を未だに一度も食べたことがない。



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 今年は、外国に住んでいるのに、日本からひなあられを2つ、プレゼントでいただいた。日本のお菓子やあられ、大好きなのでとても嬉しい。ひなあられ、日本にいたとき、何回食べたことがあるだろうか?ほとんどないと思う、不思議なものだなあ、と思った。

 

 既に食べた方のひなあられ。ひなあられは甘いものだと思い込んでいたら、おかきそのもの、塩味だった。去年日本から送っていただいた、雛人形のポストカードの隣にひなあられたちを飾って楽しんでいる。

 

 実家では、私が10代後半になって以降、出し入れが面倒な立派な雛人形も飾られなくなったし、みんな忙しくなって、ひなまつりをを忘れていることが多くなった。大学生、社会人になり、ひなまつりの日は祭日でもなく、あ、ひなまつり過ぎていた、何もしなかったーということが例年になった。一方で、観光地などで、木造の歴史的建造物に古い雛人形が飾られ、古き良き日本のひなまつりを見る機会はあったりした。

 

 結婚式の日、指輪を置くリングピローを小さな雛人形の陶器を使って手作りした。3月2日の今日、押入れから見つけ出し、ひなあられと一緒に窓辺に置いた。日本から遠く離れた外国、フランスのパリにいるのに、窓辺に雛人形がたくさんいる。


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 今年はひなあられを食べよう。女の子の日。桃の節句。ピンクや赤の服を着て祝おう。私はこの日が好きだったのだ。