パリ徒然草

パリでの暮らし、日本のニュース、時々旅行、アート好き

日本は自由でいいなあと嫉妬したけど

 私が新型コロナウイルスについて真剣に考えるようになったのは、2月の終わりだった。久しぶりに日本に住む日本人の友人と話したらすっかり様子が違っていて、ほとんど外出せずに生きていた。最初は心配症から引きこもりになったのか、と心配したほどだ。
 
 日本が全国の学校を一律に休校としたのが3月2日。生徒、児童の感染者はゼロだった。批判もあったが、そのことが人々に、新型コロナウイルスがただごとではない、と知らせ、自主的に注意しよう、と促した。また、感染の仕方についての報道も多く、多くの日本人が一人ひとりが何に注意すべきか、を理解して努力したのだろう。

 それに対して、フランスはなあ。。。3月12日のマクロン大統領の演説までは、皆、全然真剣に見えなかった。それは私自身も含めてだけど。(私は、日本の情報のおかげでマスクを探し回ったり、アルコール消毒液を買ったりした程度でしかない)2月29日、5,000人以上の集会を禁止され、大規模な見本市などが中止になってはいたものの、3月12日までは、ビズする人も見かけるなど、今まで通りに生きていた。その日の演説をテレビで聞く前、私はフランスは日本より感染者が3倍なのだから、大きな対策を打って当然だろうと思っていた。だが、学校閉鎖が発表された、その2日後にレストランやカフェが閉まり、その2日後に外出制限が始まるとまでは予想していなかった。

 私は単純に日本とフランスを比較して、日本は対応が早かった。今では、日本は学校は閉めたけど、レストランもカフェも開いていて、日本人は自主規制しながらよく感染拡大しないようやっている、と思う。
 いいなあ、日本。歩くのも走るのも、移動するのも、自由だなんて。こっちは、レストラン、カフェ閉まってしまった。道路の各地に警官。罰金取られないかビクビクして出かけ、ビーチもバリゲートと貼り紙が貼られている。

 でも、日本は、一ヶ月前から出かけず、マスクして息を潜めるように生きてる人も、いるんだろうな。私の友達や私の母のように。業界によっては客が激減し資金繰りに困っていたり、イベントを取りやめ、政府の保証もなく、別の意味で、大変な人もいるのだろう。

 私は、きっと、これまでに自由をたくさん使いすぎたのだ。そのツケを今、払っているのだ。いろいろ文句言ってもしょうがない。起こってしまったことは、起こってしまったのだ。

 最近、嫌なことばかりあったね。この国で2回も立て続けに盗難に遭った。でも、ここにいれてうれしい。だって面白い国だから。ジェットコースターに乗っているみたい。

 今日は、花とケーキと、初物のいちごを買った。まるで、誕生日。杏のタルトとフランボワーズのミルフィーユ。今日もとてもいい一日だった。

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杏のタルト

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(食料品店で買った花。花屋も営業していないので、花を買えたのはラッキーだった)