パリ徒然草

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踊れるくらい人がいなくなったシャンゼリゼ通り

 ジョー•ダッサンの「Oh, Champs-Elysées (オー、シャンゼリゼ)」のメロディが頭の中で何度も繰り返していた。月曜正午、シャンゼリゼ通りにはほとんど人がいない。スキップして歩いても、踊りながら歩いても大丈夫というくらい、広々と空間を使える。

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 贅沢なヴァカンス。観光客のいなくなったパリでの素晴らしい時間。

 シャンゼリゼ通りは開いているお店が結構あった。ギャラリーラファイエットZARAアディダスなど。マスクが必須で、入り口で手をアルコールジェルで清潔にして入店、人との距離は1メートル以上開ける、という制約はあるが、客はあまりいないので、ソーシャルディスタンスを気にするシーンすらなく、ゆっくり好きな物を選べる。

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【ギャラリーラファイエットの中】

 それなのに、楽しいだけの気持ちになれないのは、こんなに、お客さん少なくて大丈夫か、と店舗を見ても心配になるせいだ。私に心配されたくもないだろうに....。リヴォリ通りに至ってはお土産屋さんが多いせいで、約半分の店が閉まっていて、いつも観光客でいっぱいなのに、人もまばらだ。

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【リヴォリ通り】

 シャンゼリゼ庭園では、パリジャンたちがピクニックしている。女性たちは明るい色のワンピースなど着ていて、和やかな雰囲気はまるで、リゾート地のようだ。

 カフェもレストランも開いていないから、こうやって食事するしかない。日本は25日に緊急事態宣言が解除されたようで、早速喫茶店に行ってありがたがってコーヒーを飲んだ方の日記を読んだ。ピクニックもいいけど、やっぱり、う、うらやましい。いや、いや、この雰囲気凄いぞ。バラの花を背景にベンチで水筒に入ったコーヒーを飲み干す。

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 花が咲き乱れ、木々が影を作り、爽やかな風が吹き、鳥のさえずりが聞こえる。車も少ないせいか、空気も澄んでいるように感じる。

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 パリに住んでいるのに、こうやってこの場所に滅多に来ていなかったな、と思った。

 シャンゼリゼ庭園には、昨日書いたマリニースクエアに加えて、ロンポワン劇場庭園とアンバサダー庭園があった。そんなことすら知らなかった。説明版を読んで、ヴェルサイユ宮殿の庭園も手がけた、あのル・ノートル(Le Nôtre)によって都市計画がなされた、ことを知った。

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 是非、花のきれいな時期に来て、シャンゼリゼ通りと同時に、これらの庭園にも立ち寄ってほしい。そこに何があるの?見どころあるの?って言われたら、花壇や木々があるだけ、とも、言えるけれど、シャンゼリゼ通り、これらの公園、コンコルド広場を抜けて、リヴォリ通りまで歩くだけでも、フランス人のセンスを感じ、写真を撮りたくなる景色にたくさん出合えるだろう。一直線の道路に日本との計画計画の違いも感じるだろう。

 最近ネットで、中国にあるパリを真似た都市のドキュメンタリーをYou Tubeで見た。日本にもヨーロッパに似せて作った庭園や街がある。そうしたものと何が違うのか。あるいはYou Tubeやネットやテレビで、その都市の景色を見ることと何が違うのか。

 やっぱり頭の中で「オー、シャンゼリゼ」を繰り返して、この歌詞の意味と軽快なメロディを思った。真似して作られた物ではなくオリジナルである。その場所にいる、そこに存在している、別の誰かに編集されたものを見るのではなく自分の目で見ている。それはやっぱりバーチャルや似せて作ったものとは、違う。心の奥まで何かが響いて来る。

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コンコルド広場】

オー、シャンゼリゼ
https://youtu.be/rK_v4iNQFV8