パリ徒然草

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秋のフォンテーヌブローの森 狩猟に注意

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 2021年11月某日。夫ともにフォンテーヌブローの森へ。

 パリのリヨン駅から、montargis(モンタルジ)行きの近郊列車に乗ってMontigny sur Loing(モンティニー シュル ロワン)で降り、Grotte Beatrix(ベアトリクスの洞窟)を目指した。

 ちなみに、このルートは、フォンテーヌブローの森の20ルートを紹介したOUEST FRANCE(ウエスト フランス)社のガイドブック「Foret de Fontainebleau randonnées et découvertes」(フランス語)の100頁目(↓)を参考にしたものである。

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 まずは、モンティニーの駅から、住宅街を通って森へ。モンティニーの村の石造りの家も雰囲気があった。

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 携帯電話のGooglemapにGrotte Beatrixと入力すれば、道案内してくれる。午前11時ごろ、モンティニーの駅に着いたが、霧が深かった。

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 昨夜雨が降ったのだろうか、地面は濡れていた。木が倒れていたりするうえ、全然人通りはないので、一人では来れそうもない。

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 後2週間早く来ればもっと紅葉が美しかっただろうが、少し残念。秋の終わりの森もまた、風情があって美しいけれど。

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 秋の終わりの枯れかけた木々の足元の鮮やかな緑の苔も面白い。

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 駅からベアトリクスの洞窟まで約1時間の道のり。近づいてくると、岩山があり、フォンテーヌブロー派の絵画に描かれた景色を思い出した。

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 最後の10分の道のりは岩が所々にある急勾配の山を登った。

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 ベアトリクスの洞窟近くは、山の頂きで、本来は遠くまで見渡せる場所なのだが、見下ろす風景も霧に包まれていた。

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 持ってきたサンドイッチを食べていると、だんだんと霧が晴れてきた。1枚目の写真のような景色が見渡せるようになった。

 こちらはベアトリクスの洞窟↓。
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 洞窟を見て、周辺を少し歩いた。

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 同じ道を降りた。霧が晴れたおかげで、青空が見え、同じ風景が登る前と全く違って見えた。

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 同じ道を通って同じ駅に戻ろうかとも思ったが、googlemapによると、1時間20分歩けば、Thomeryトムリーという別の駅に着くということで、googlemapを頼りに目指すことにした。


 途中まで風景は素晴らしく、道は平坦で歩きやすく、大満足だった。白い馬に乗った女性とすれ違うことも、あった。

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 ところがである。約45分くらい歩いて車道に一旦出た後、森にまた入っていこうとすると、「Chassse en cours(狩猟中)」の文字が…。それを見た夫が「数日前にも、狩りで顔を怪我する事故があったとネット記事で読んだ。森に入らない方がいい」と言った。ガーン。

 残り約30分は車道脇の柔らかい土の、少しぬかるんで歩き難い道を歩く羽目になった。道路の両脇の木々の美しい色を、排気ガスと車の騒音が台無しにしている。

 途中、森への入口がいくつかあったが、どこも、「Chassse en cours」の札がかかっている。「狩りは朝からやるだろうし、もう午後4時だから大丈夫じゃないかな」車道を歩くのが嫌で、何度か夫に、私は言ったが、首を縦に振らなかった。

 駅に近づいたころ、札がかかっていなかった森の中の道を歩いているとき、私たちは2発の銃声を聞いた。へ、へえ狩りまだ、やってたんだ。それからさらに一発。合計3発である。

 こ、怖いよ。流れ弾に当たったらどうしよう。私は「私はうさぎじゃありません」とフランス語で叫んで走り出した。

 ふう。Thomeryの駅に着いてホッとした。助かった。まだ、生きてるー。

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 パリから近郊列車で約1時間。別世界への大冒険だった。
 



"フォンテーヌブローの森 自然が作る造形の面白さ - パリ、新型コロナが世界を変えた" https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2021/07/12/052359