パリ徒然草

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仏大統領選まで約1年 フィリップ前首相から目が離せない!

 仏大統領選挙まで後約1年と迫ってきた。ここに来て、複数の仏メディアがエドゥアール・フィリップ前首相(現ル・アーブル市長)を取り上げている。本の出版でメディア露出が増えているためだが、どのメディアも、フィリップ前首相の大統領選出馬への人々の関心に触れている。今週日曜(4月4日)、国営放送France2午後8時半ごろにもフィリップ前首相が出演する予定で目が離せない。

 

 仏右派の新聞フィガロは、来年大統領選に向けて「エリート集団にとってエドゥアール・フィリップはエマニュエル・マクロン以上の候補者だろう」«Édouard Philippe serait un meilleur candidat qu’Emmanuel Macron pour le bloc élitaire»という見出しのサイト記事を掲載した。

 

https://www.lefigaro.fr/vox/politique/edouard-philippe-serait-un-meilleur-candidat-qu-emmanuel-macron-pour-le-bloc-elitaire-20210324

 

 

 このような記事や報道が、出てくるのも、フィリップ前首相のスケジュールが、いっぱいで、たくさんの政治家たちと会い、たくさんのインタビューを受けていることが原因らしい。RTL(ラジオ・テレビジョン・ルクセンブルクRadio Télévision Luxembourg)のサイトの記事もそのことに触れている。

https://www.rtl.fr/actu/politique/edouard-philippe-entretient-le-suspens-et-prepare-son-avenir-7900011436

 

 フランスの国営放送France2の午後8時のニュースでは、「控えめな野心l'ambition discret」というタイトルで、“復帰”が注目されていることが3月28日に放送された。主に親しい友人たちがフィリップ前首相をどう見ているかで構成された報道だった。
f:id:clairefr:20210402044929j:image

https://www.francetvinfo.fr/politique/politique-l-ambition-discrete-mais-ferme-d-edouard-philippe_4350977.html

 フランス人53%の好きな政治家という調査結果もあるように、フィリップ前首相について、有能で誠実な高いイメージ、高い人気があるのが、注目される理由だろう。

 

 フランス左派の新聞、ル•モンドも、3月30日、「待ち伏せ(embuscade)」という言葉を使って、フィリップ前首相の国政への復帰、本の出版(4月7日)などの動きを報じている。

https://www.lemonde.fr/politique/article/2021/03/30/l-ancien-premier-ministre-edouard-philippe-en-embuscade_6074913_823448.html

 

 ちなみに、この本は欧州代議士(Député européen)のGilles Boyer氏との共著で、マティニオン(首相官邸)での3年間(2017年5月から2020年7月まで)について、書いたもののようだ。

 

 3月19日の16県がコンフィヌモンになった日、フィリップ氏はル・アーブル市長としての市民への演説をネット公開した。フィリップ市長は、政府のコロナ対策によってル・アーブル市がコンフィヌモンになったことを「悪い驚き」だと、批判していた。「ル・アーブル市は10万人当たりのPCR陽性者は、250人より少ないのに」と嘆いていた。

 

 私はその演説をなぜか、スマホで聞いて、あ~あ~、一年前には、フランス全土をコンフィヌモンに突入させた側だったのに、皮肉なものだー、と聞き流したのだが、なぜだか、夫もその演説をスマホで聞いて、「マクロンを批判しているから、マクロンを裏切るに違いない」と言い出した。約10日前の話だ。

 

 過去にはジスカール=デスタンとシラクシラクとバラデュール、サルコジとフィヨンなど、首相が大統領を裏切るケースがあったようだが…。

 

 私としては、そこは、分からないと思ってブログに書かないでいたが、先日、BFMテレビの記事を読むことになった。

 

 そこには、マクロン現大統領が来年大統領選挙に出馬しない可能性を狙って、フィリップ前首相が横滑りする可能性が書いてあった。理由は、新型コロナウイルスの対策による暗い時期を刷新したいと投票者たちが望むことが背景にあるらしい。

 

 https://www.bfmtv.com/politique/la-republique-en-marche/le-vrai-faux-retour-d-edouard-philippe_AN-202103300521.html

 

 2022年の選挙選については、2017年のフランス大統領選で決選投票に進んだ極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン党首への支持が、新型コロナウイルス禍で拡大している、と伝えられてきた。

 

 果たしてどうだろうか。本の出版日が4月7日と大統領選挙第1ラウンドからちょうど一年前というのが意味深だなあと思う私である。

 

 フィリップ氏は野党である共和党(UMPの後身)に党籍を置いている。2020年6月に行われた統一地方選挙では、現職首相でありながらル・アーヴル市長選に出馬し当選。同年7月3日、マクロン大統領に首相職の辞表を提出して内閣は総辞職した。

 

 2022フランス大統領選挙の第1ラウンド2022年4月8日から23日まで開催され、第2ラウンドは第1ラウンドの2週間後に開催される。最初のラウンドで過半数の票を獲得した候補者がいない場合、2週間後に上位2人の候補者の間で決選投票が行われる。現職の大統領はマクロン氏のLREMであり、任期は2022年5月13日まで続く。