パリ徒然草

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22回目の衛生パス反対デモ

 12月11日土曜日。黄色いベスト運動の衛生パス反対デモに参加した。衛生パス反対デモが始まって22回目の週末。

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 以前このブログに登場したこともある、自由の女神さまもいた。寒空の中、薄着。自由の女神になるのも楽じゃないなあ。

 私は、22回目のデモ参加者たちを自由を履き違えた我がままな人たちだとは思わない。自由になるために、毎週デモに参加するよりも、注射をする方がずっと早いのだから。


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 パリの通りを歩いて北駅近くの広場に到着。歌を歌ってライブ会場のようなデモだった。

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 一方で、私自身は、来年3月になっても、この状態が続いているなら、ワクチン接種をするしかないのかな、と考えたりしている。

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 デモ参加者たちは「自由を!」と叫ぶ。「全体主義」を批判するけれど、現状、既に、カフェに入るのも、美術館に入るのも、映画館に入るのも、ワクチン非接種者は、簡単ではない。衛生パスが必要で、検査が必要だ。24時間有効で抗原検査25ユーロ。自由と叫んだところで以前のように、スムーズに文化的生活を享受できる自由は既にないのだ。ここにいるワクチン非接種者には以前のような自由はない。


 ワインや食品を売っているマルシェ・ド・ノエルにすら、衛生パスなしに入れなかったとき、ヨハネの黙示録の「小さき者にも、大いなる者にも、富める者にも、貧しき者にも、自由人にも、奴隷にも、すべての人々に、その右の手あるいは額に刻印を押させ、 この刻印のない者はみな、物を買うことも売ることもできないようにした」のフレーズが私の頭をよぎった。

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 衛生パスは、たくさんのワクチン接種者がコロナ感染者になっている時点で、論理的に破綻していると思う。

 私にはこのワクチンは合わない可能性がある、と思っていて、このワクチンを恐れていて、このワクチンが私の体を守ってくれるとも思っていないが、現実に「自由」に動くために、接種するしかないのかな、とは思ったりはしている。本末転倒だが、そういう思いで接種した人も、たくさんいるのだろう。

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 歌ったり、踊ったりしているデモ参加者の上の空に小さな半月があった。


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 日が暮れていく。夕焼けに包まれていく。そこにいるデモ参加者も、警察官も、平等に包まれていく。自然は人々を隔てない。