パリ徒然草

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世界最古の黙示録のタペストリー アンジェへの1泊2日の旅➁

 「アンジェに行く」と言ったら、美術史の専門家に「タペストリーを見に行くんだね」と言われた。私も夫も旅行を決めたときは、アンジェに世界最古のタペストリーがあるということを知らなかった。

 そして、このタペストリーの題材は「ヨハネの黙示録」であるということも知らなかった。

ヨハネの黙示録 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%8D%E3%81%AE%E9%BB%99%E7%A4%BA%E9%8C%B2

 タペストリーはアンジェ城に入場料を払って入場した中にある。実際に見てみると、それは、その大きさと言い、精巧さ、デザインと言い、驚くべきものだった。まさに、アンジェ城入場見学の最大の見どころであった。

 黙示録のタペストリーは、アンジュー公ルイ1 世(フランス国王シャルル5世の弟)の依頼により、国王の宮廷画家ボンドルJean Bondol(1368‐81活動)が下絵を描き,1377 年から 1382 年の間にニコラ・バタイユの工房で織られた。中世のタペストリーの大きなセットである。

 聖ヨハネによる黙示録の物語がカラフルなイメージで描かれている。本来90場面あったといわれるが,現存するのは約70場面のみ。1枚は約5m×約20mの大きさをもち,合計の長さ約140メートルのタペストリーである。現存する西欧中世の作品中もっとも古く、最大の規模を誇る。

 14 世紀、黙示録は善と悪の最後の対決の英雄的な側面に焦点を当て、天使と獣の戦闘シーンを特徴とする人気のある物語だった。物語のシーンの多くには破壊と死が含まれていたが、物語は善の勝利の成功で終わる。

 

 タペストリーを見ながら、You Tubeで宇野正美氏の講演を聞いていたおかげで、少し「黙示録」が頭の中に、入っていて、助かったと思った。

 

 「白い馬。勝利の上に更に勝利を得ようとして出て行く

 火のように赤い馬。戦争をもたらす

 黒い馬。飢饉をもたらす

 青ざめた馬。死をもたらす」

 ちなみに「赤い馬」のシーンは欠如している。

 

 タペストリーはアンジューの公爵が所有して 1 世紀が経過した後、アンジューのルネは1480 年にタペストリーをアンジェ大聖堂に遺贈し、そこに長年残っていた。

 

 フランス革命の間、黙示録のタペストリーは略奪され、バラバラに切り刻まれた。タペストリーの断片はさまざまな目的に使用された。

 

 オペラを見に行く前に、あらすじを読んで行った方が楽しめるように、このタペストリーを見る前に黙示録を読んでいた方がもっと楽しめたかもしれない。

 それは中世の漫画のようにも思えた。予備知識なしでも、絵柄も可愛いし、一つひとつじっくり見るのも面白い。

 「7つの頭を持つ怪物」が怖いというよりも可愛らしい。

 タペストリー以外では、城壁に登って、城からの景色と城の建築や幾何学模様の庭園も楽しめる。

 城の入場料は大人9.5ユーロ。