パリ徒然草

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中世の城を見ながら食事 アンジェへの1泊2日の旅①

 ロワール地方の西の端、アンジェ(Angers)に1泊2日で行った。パリからOuigo を使って3時間かかった(もっと速いTGVで1時間40分で行くこともできる)。

 

 5月の新緑の眩しい季節。快晴。外を歩くだけで心地よい。気温は23度まで上がった。特に素敵だった時間は、中世の城を見ながらレストランで食事したことだ。

 アンジェはフランス西部、メーヌ川河畔に位置するペイ・ド・ラ・ロワール地域圏メーヌ=エ=ロワール県の県庁所在地である。私も夫もロワール地方を含めてフランスの各地を既に巡っていて、フランスの有名どころはかなり行き尽くしていて行っていない場所は限られている。二人とも行っていない場所がアンジェで、夫が行きたい場所がアンジェだった。フランス人に気持ちの良い、いい街だと聞いたのが行きたくなった理由だそうだ。

 

 直前に列車やホテルを予約(ちなみに予約するのはすべて私。まるで添乗員か旅行代理店のような私である)し、予備知識をあまり持たずアンジェに着いた。

 

 中世のアンジェ城が印象的。他のロワールの城とは趣が違う。アンジェ城は、城と言っても、13世紀に築かれた要塞である。もともと、同地にあった宮殿をルイ9世が要塞として改修し、アンジュー帝国最高の砦とした。私がこの城を見て思い出したのはカルカッソンヌやプロヴァンだった。

【アンジェ城の門。城は一部改修工事中】

 

 城の周囲には、17もの円塔を配し、いかなる襲撃をも防ぐことができたという。その後、アンジェ城はルイ14世やアンジュー公ルネなど城主が変わるが、その度に強固な要塞へと作り変えられていった。

 

 城が見える場所に藤の花が咲いた通りがあって、その真ん前のレストランGupta'sに惹かれた。エレベーターか階段を上がると、明るい食堂とテラスが広がっている。

 パリだとテラスで食べると言っても、これだけの心地よさはないと思う。パリより車が少ないので空気も澄んでいる気がする。私たちは室内を選んだが、城を臨むテラス席もある。

【レストランのテラスから見えたアンジェ城】

 

 前菜に私がアスパラガスといちご、夫がサーモンを選んだ。

 メインデッシュは、仔羊のロースト↓。量もたっぷり。付け合せの野菜が色とりどりで、クレームフレッシュを使ったソースも美味しい。

 最後にデザートではなく、チーズの盛り合わせを選んだ。チーズも4種類でたっぷりの量。

 これでお昼は3皿で23ユーロ。2皿で19ユーロ。パリでこのお値段でこのクオリティでゆったりしたテラスで、考えられない!!!

 Saumur-Champignyソミュール シャンピニー(アンジェから遠くないロワールの特定の地域)で作られる赤ワインも素晴らしく美味しかった。

 この時期、新緑を浴びるのもおごちそう。列車から見る景色も緑に溢れている。そして、ときどき、黄色、“いちめんのなのはな“を見た。

【車窓からのロワール川】

【車窓からのいちめんのなのはな】