パリ徒然草

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「ドイツ、バーデン•バーデンまでの切符」 清水の舞台から飛び降り混浴温泉

お題「#買って良かった2020

 

 パリ在住の私は、2020年1月に、ドイツのバーデン•バーデンまでの一人旅の往復列車の切符を買った。それが2020年に買って良かった物、第1位だ。

 

 それまでドイツの地を踏んだことがなかった。ドイツ語は全くできない。英語も危うい。そのうえ、酷い風邪をひいていてなかなか治らない。バーデン•バーデンについての日本語の情報もパリでは少ない。


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 バーデン•バーデンは温泉がある。日本人の大好きな温泉\(^o^)/!である。だからこそ、バーデン•バーデンに行こうと思ったのだ。

 

 私の日本の故郷にはスーパー銭湯のように大きな温泉があって、そこの一角にバーデン•バーデンの炭酸泉があった。女性たちに一番人気のお湯だった。模して作られるくらい世界に名だたる温泉なのだと思った。だが、問題もある。


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 バーデン•バーデンの温泉は混浴で、バスタオルも持ち込み不可だと言う。大丈夫か? せっかく温泉に行く気持ちで行って温泉を楽しめなかったらどうしよう。


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 清水の舞台から飛び降りる気持ちで、2月初めの往復の切符を買った。払い戻しのないタイプの切符だった。そして列車に乗った。買った以上は乗るしかない。とてもあっけなく、パリの東駅から列車で3時間半くらいでバーデン•バーデンに着いた。


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 そして、温泉はというと、「フリードリヒスバード」と「カラカラ・テルメ」の二カ所に行ったが、素晴らしかった。最も気に入ったのは、近代的施設「カラカラ•テルメ」の木々の中にある木造りのサウナである。寒いからこそ、サウナが際立っている。


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【カラカラ•テルメの入口】

 

 サウナから出て、火照ったからだで、木々の間の道を歩くのが心地よい。空気が澄んでいて素晴らしい。

 

 混浴も私はあまり気にならないタイプの人間だったようだ。カラカラ•テルメでは温泉部分は水着着用で、サウナスペースが裸だったと記憶しているが、それが文化だという雰囲気が漂っていた。アジア人が一人でいても、寄ってくるような変な人はいなかった。



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 ルネッサンス様式の豪華な浴場で知られる、フリードリヒスバード(Friedrichsbad)へは週に2日しかない女性専用の日に行った。案内に沿ってサウナ、熱気浴、炭酸浴などを順番に巡っていくという、ローマ式の入浴方法が引き継がれてる。建物の中央、大天蓋のあるローマン・アイリッシュ浴場の美しさが印象深い。その大天蓋を見ながら私はなぜかパリのマザラン図書館やアカデミー・フランセーズの建築様式を思った。(温泉の写真はいずれも入り口まで)



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【夕暮れどきのフリードリヒスバード】


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【寒いのでホテルのガラス越しに撮影したフリードリヒスバード】
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【上の3枚はフリードリヒスバードのロビー。階段を登って右手へ】

 

 一人でカジノにも行った。バーデンバーデンのカジノは一見の価値がある。紳士淑女の社交場、映画の中の世界のようだ。残念ながらお金はすってしまったけれど、その内装や雰囲気は楽しめた。


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 バーデン•バーデンはとても寒かった。外に長時間いて写真を撮るのに勇気がいるくらいの寒さだった。にも関わらず、バーデン•バーデンに着いてすぐ私は風邪が治った。空気が澄んでいたからだと思う。

 

 今では、新型コロナウイルスの影響で咳をするような人間が列車に乗るのは非常に問題だろうし、今では、外国に行くためには事前のPCR検査なども必要だろう。いや、そもそも温泉施設が閉まっている!!!

 

 2020年の2月だからこそ、簡単にできたことだったのだ。

 

 いつでもできると思ってはいけない。少しの勇気が新しい体験をくれる。清水の舞台、たまには飛び降りて、勇気のある買い物するのも、いいものだー。

 

【写真はすべて2020年2月にバーデン•バーデンで撮影】

フリードリヒスバードのサイト

http://www.carasana.de/en/friedrichsbad