パリ徒然草

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シャルトル探訪記2 素朴派芸術ピカシェットの家

 昨年6月、シャルトルのピカシェットの家(Maison Picassiette)に行った。今は閉館している。通常、4月から10月まで開館しているが、新型コロナの影響もあるので、事前に確認を。


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 市の道路作業員や墓清掃人だったレイモン・イジドール(Raymond Isidore、1900-1964)さんが、公共のゴミ捨て場から探した食器の破片を使い、自らの家と庭をモザイク模様に飾り付けたもの。現在は素朴派芸術として歴史的記念物に指定されている。

 

 Picassietteはイジドールさんのあだ名。pique=つまむ、assiette=皿 からできた言葉で、“つまみ食いする・タダ食いする人”と“拾って集める”という2つの意味がある。画家のピカソにちなんで、Picasso de l'assiette (皿のピカソ)という意味だという説もある。


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 イジドールさんは、ここに土地を買い家を建て、1930年に奥さんと子供2人とこの家に引っ越してきた。翌年、奥さんを喜ばせようと拾ってきた廃材の陶器やガラスで装飾したのがきっかけで、亡くなる1964年まで、人生の大部分をかけて、この家をモザイクで飾った。


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 すべて割れた皿や瓶などを貼り付けた美しいモザイクで装飾してある。家の外壁、塀や路地、植木鉢や室内の壁・床・天井、テーブルや椅子さえも、すべてモザイク装飾が施されている。


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 作り手の心は作品に宿るような気がする。

作った人の心に奢りがなく愛に溢れていたせいだろうか。素朴で楽しくて癒やされる場所だった。


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 シャルトル大聖堂のある市中心部から徒歩で22分、駅から、徒歩で32分とグーグルマップにある。迷いながら行くのでもう少し時間がかかり、少し遠く感じたが、行けて良かった。

 

 もっと、建物を見たい方は、この建物についてのYou Tube動画(フランス語)をどうぞ。

https://youtu.be/z870k2ccjqs

解説なし

https://youtu.be/8k2ukwrwcOE


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【行く途中、墓地を通った。墓地から見えるシャルトル大聖堂イシドールさんの仕事場でもあったのですね。こういう景色を見ながら、モザイクのデザインの構想を考えていたのかもですね】

 

探訪記3へ

https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2021/02/03/170743

 

参照記事

"Maison Picassiette — Wikipédia" https://fr.m.wikipedia.org/wiki/Maison_Picassiette