パリ徒然草

パリでの暮らし、日本のニュース、時々旅行、アート好き

旅に出かける前、旅の途中

  3月某日朝。知らない町に行くことが私をうきうきさせた。

 

 ガイドブックでも読んだことのない町。

 

 早朝のバスに乗る。

 自分が水族館にいる魚になった気がした。


f:id:clairefr:20210316021041j:image

【バス車内】

 

 両脇の建物が白かクリーム色の建物で、窓の外で流れて行くのがまるで水槽の中にいるようだ。そんなことを考えるのも、海のある町に、向かうからかもしれない。パリのシュールレアリストの詩のせいかもしれない。

 

 日曜の朝、サン・ラザール駅に人は少なかった。

f:id:clairefr:20210316022345j:image

 新型コロナウイルスの影響で、サン・ラザール駅にある上下写真の商業施設(駅の商業施設とパサージュ・デュ・アーブル)は3月6日から閉鎖になった。1万平方メートル以上の大型商業施設(食料品関連を除く)を閉鎖することになったためだ。そもそも以前からパリのほとんどのデパート(食品売り場やBHV homme以外)は閉まっていた。DIY用品でお世話になったルロワ•メルランも閉まってしまった店舗があるようで、メールを受け取った。

f:id:clairefr:20210316022456j:image
 昼間になっても、商業施設が閉まったままなので、サン・ラザール駅周辺も以前ほどの賑わいはないのではないだろうか。

 駅構内で写真を撮る。サン・ラザール駅と言えば、画家のクロード・モネも描いているが、モネの時代とは違う列車が止まっている。


f:id:clairefr:20210316043603j:image


f:id:clairefr:20210316043614j:image


f:id:clairefr:20210316044113j:image

ルーアン行き列車の車窓から】

 

 ディエップに行くため、乗り継ぎでルーアン=リヴ=ドロワ駅に降りた。


f:id:clairefr:20210316043753j:image


f:id:clairefr:20210316043944j:image
ルーアン=リヴ=ドロワ駅内】


f:id:clairefr:20210316043845j:image


f:id:clairefr:20210316044011j:image
ルーアン=リヴ=ドロワ

駅】

 

 ルーアン駅も、アール・ヌーヴォー様式で趣がある。新型コロナの影響で、公共の乗り物よりも自家用車、自転車など個人の乗り物の需要が、高まっているようだ。

 

 このまま公共交通機関の利用者は、減っていくのだろうか。この風景が消えていくかもしれない近未来を想像し、駅にいる時間も駅を撮った写真も貴重で愛おしく思えた。


f:id:clairefr:20210316044508j:image
【ディエップールーアンの列車の車窓から】

 

 友人のメールに写真家、ソール・ライターについて書いてあって、ソール・ライターのバスの写真を見て、今日の日記を書きました。

ソール・ライター(美術手帖)

https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21217