3月某日朝。知らない町に行くことが私をうきうきさせた。
ガイドブックでも読んだことのない町。
早朝のバスに乗る。
自分が水族館にいる魚になった気がした。
【バス車内】
両脇の建物が白かクリーム色の建物で、窓の外で流れて行くのがまるで水槽の中にいるようだ。そんなことを考えるのも、海のある町に、向かうからかもしれない。パリのシュールレアリストの詩のせいかもしれない。
日曜の朝、サン・ラザール駅に人は少なかった。
新型コロナウイルスの影響で、サン・ラザール駅にある上下写真の商業施設(駅の商業施設とパサージュ・デュ・アーブル)は3月6日から閉鎖になった。1万平方メートル以上の大型商業施設(食料品関連を除く)を閉鎖することになったためだ。そもそも以前からパリのほとんどのデパート(食品売り場やBHV homme以外)は閉まっていた。DIY用品でお世話になったルロワ•メルランも閉まってしまった店舗があるようで、メールを受け取った。
昼間になっても、商業施設が閉まったままなので、サン・ラザール駅周辺も以前ほどの賑わいはないのではないだろうか。
駅構内で写真を撮る。サン・ラザール駅と言えば、画家のクロード・モネも描いているが、モネの時代とは違う列車が止まっている。
【ルーアン行き列車の車窓から】
ディエップに行くため、乗り継ぎでルーアン=リヴ=ドロワ駅に降りた。
【ルーアン=リヴ=ドロワ駅内】
【ルーアン=リヴ=ドロワ
駅】
ルーアン駅も、アール・ヌーヴォー様式で趣がある。新型コロナの影響で、公共の乗り物よりも自家用車、自転車など個人の乗り物の需要が、高まっているようだ。
このまま公共交通機関の利用者は、減っていくのだろうか。この風景が消えていくかもしれない近未来を想像し、駅にいる時間も駅を撮った写真も貴重で愛おしく思えた。
【ディエップールーアンの列車の車窓から】
友人のメールに写真家、ソール・ライターについて書いてあって、ソール・ライターのバスの写真を見て、今日の日記を書きました。
ソール・ライター(美術手帖)