パリ徒然草

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夏のミディ・ピレネーの旅③ ロマネスクの圧巻 世界遺産のコンク サント•フォア修道院教会

 サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の1つとして、コンクのサント・フォア修道院教会とドゥルドゥ川に架かる中世の橋はユネスコ世界遺産に登録されている。また、コンクは、フランスの最も美しい村にも選ばれている。


 この修道院教会はフランス語表記では、Abbatiale Sainte-Foy de Conques(アバシアル•サント•フォア•ド•コンク)。日本語の表記は、サイトや書籍によっていろいろのようだ。サント・フォア修道院教会、サント=フォワ修道院、アバシアル・サント・フォア教会、サント•フォア聖堂...。ここでは「地球の歩き方」と同じサント・フォア修道院教会で統一した。


 崇高なロマネスク様式の教会、サント・フォア修道院教会は、11~12世紀に建設された。繊細な彫刻に飾られた250の柱、教会入り口のタンパンに彫られた『最後の審判』、金と宝石で飾られた聖遺物像など、中世美術の粋に触れることができる。

 この教会は、聖女フォアに捧げられている。864年から875年の間に、コンクの修道士アリヴィスクスがアジャン近郊の教会に安置されていた聖女フォアの聖遺物を盗み出すという歴史的な事件が起きた。聖女
フォアは303年にアジャンで没した12歳の殉教者である。この〈敬虔なる盗み〉はさらなる奇跡の引き金となり、多くの巡礼者をコンクへ引き寄せることとなった。

 教会内部の250本の柱頭は、現代アートの画家のピエール・スーラージュ(Pierre Soulages、1919年- )のステンドグラスから差し込む柔らかな光に彩られていた。


【スーラージュのステンドグラス】

 教会のタンパン(入り口上にある装飾的な壁面)の彫刻は『最後の審判』を表しており、キリストの周りには124体の人物像が刻まれている。


【タンパン中央のキリスト。キリストの足元では、天使ミカエルと悪魔がにらみあっている】


【中央は地獄の堕天使ルシフェル



【地獄の表現も素晴らしい】



【神の手の前で祈る聖女フォア】

 このタンバンが午後10時15分からライトアップされ制作当時の彩色が再現される。ライトアップは春から秋にかけて開催されている。

教会の中でのオルガンコンサート
https://youtube.com/shorts/hqOEhg-tezg?feature=share

 見事な宝物殿(有料、大人10ユーロ)も見所。聖遺骨が納められた黄金の聖女像は、5世紀のものだ。


【5世紀の黄金の聖女像】