パリ徒然草

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クリュニー中世美術館を見学

 パリ5区のフランス国立クリュニー中世美術館に行った。ここは1−2世紀のローマ時代の浴場跡に、13世紀にブルゴーニュのクリュニー修道会の修道院長の別邸として建てられ、15世紀に全面的に修復・改装され、ほぼ現在の形になった。

 

 美術館の所蔵作品の中でも特に美しいのが、6枚の連作タピスリー《貴婦人と一角獣》。「味覚」、「聴覚」、「視覚」、「嗅覚」、「触覚」、そして「我が唯一つの望み」(A mon seul désir)である。

 

 

 本当に美しい。長い時間見ても飽きない。

 何度か来たことのある美術館で、タペストリーと浴場の記憶しかなかったが、それ以外の展示品も面白かった。以前から、こんなにたくさん展示品があったかなあ?前回来たときは改装中だったので、見学できない場所があったと見られる。彫刻、装飾写本、ステンドグラスなど、これでもかという程たくさんの展示品が並んでいた。

 

象牙の像『アリアドネ、マイナス、サテュロス、愛の神』(6世紀)

 

15世紀後半の「受胎告知」の一部

 

コンスタンティノポリス執政官アレオビンドゥスの象牙浮き彫りの装飾板 (506年)

 

グアラザールの冠(7世紀)

 

装飾写本

 

ノートルダム大聖堂の『アダム像』(13世紀中頃)

 

 ロマネスク期の柱頭の彫刻もたくさん展示されている。パリを中心にフランスのものが多いが、スペインのカタルーニャ地方などフランス以外の遺物も展示されている。

 

 柱頭の彫刻を見ていると、過去の旅行を思い出した。写真↑はパリにあった聖ジュヌヴィエーヴ修道院の柱頭であるのだが、イタリアのチシリア島に行ったときパレルモからバスで行ったモンレアーレ大聖堂の回廊やフランス、ミディ・ピレネー、モアサックのサン・ピエール修道院の回廊などを思い出した。柱頭には一つ一つ、聖書をもとにした別々の寓意画が葉飾りとともに描かれていた。

 

 フランボワイヤン様式の礼拝堂の建築も見ることができる。

 全部じっくり見るには体力が必要。

 私はこの辺りで息切れ。ステンドグラスも有名だけど、それをじっくり見るのは次回に回そう。

 ふ~。ちょっとひと息。見学の合間にカフェでコーヒーとお菓子も楽しんだ。

 浴場跡の一部は現在も展示室として使われ、建物外側にある部分はサン・ミシェル通りから見ることができる。

【美術館を出て、外から撮影した浴場跡の写真↑】

美術館の建物の外観