パリ徒然草

パリでの暮らし、日本のニュース、時々旅行、アート好き

夏のミディ・ピレネーの旅⑥スーラージュ美術館などロデーズ観光

 ロデーズ(Rodez)という街は、南フランス、アヴェロン県の県庁所在地ではあるのだが、日本のガイドブックで見かけることもあまりない。通常、公共交通機関でコンクに向かう人が通り過ぎたり、少し立ち寄ったりという感じだ。

 コンクのサント•フォア修道院教会の宝物殿(大人10ユーロ)を見学するためチケットを買ったとき、係員に、このチケットを持っていけば、ロデーズのスーラージュ美術館が7ユーロに割引になりますよ、と言われた。へえ、5世紀の聖遺物見学と現代アートが繋がっているんだあ、と面白く思った。
 ああ、そうか。1987年から1994年、コンクのサント•フォア修道院教会「104のステンドグラスの窓」を制作したのがスーラージュなのだ。

ロデーズ生まれのフランス人画家、版画家のピエール•スーラージュ(Pierre Soulages、1919年12月24日 - )。2019年にパリのルーヴル美術館でスーラージュ回顧展をしていたのが記憶に新しい。ルーブル美術館現代アート!。古典の名作が並ぶルーブル美術館で、黒一色の絵画たちが強烈な存在感を放っていた。


【黒一色のスーラージュの作品。光によって表情が変わる】

 スーラージュの美術館というだけあって、年代ごとにスーラージュの作品を展示。広々とした展示室にゆったりと並ぶスーラージュの巨大な作品に圧倒される。


 考えて見れば、印象派のフランス人画家、モネもルノワールもその名を冠した美術館はいまだにフランスにない(家は訪問できる)。存命中にその美術館がある画家は非常に稀ではないだろうか。


【初期のスーラージュの作品】



【コンクのサント•フォア修道院教会のステンドグラスの模型を展示した部屋】


 そして、スーラージュ美術館では、フェルナン・レジェ(Fernand Léger, 1881年2月4日 - 1955年8月17日)の企画展もあっていた。おおらかで明るい色のレジェの作品は夏のひまわりのように私にエネルギーをくれる。レジェについてはコート・ダジュールのビオット(Biot)村のフランス国立レジェ美術館やパリの美術館でも見学したことがあるけれど、この展覧会では個人所蔵やフランス各地の美術館所蔵の見たことがなかった作品を楽しむことができた。


フェルナン・レジェの企画展


フェルナン・レジェの作品
  
 何よりスーラージュ美術館のロッカーには大変お世話になった。荷物を預けさせていただいたのだ。駅にロッカーがないので、大変に助かった。


 ロデーズでは、夫はフヌイユ博物館という考古学も展示する博物館を見学した。


フヌイユ博物館の内部


 この博物館はヨーロッパ新石器時代に作成された彫刻石像のコレクションで有名。



フヌイユ博物館の展示品

https://fr.m.wikipedia.org/wiki/Mus%C3%A9e_Fenaille


ノートル•ダム大聖堂

 街の中心部のノートル•ダム大聖堂を見学。スラージュのモノトーンのステンドグラスを二日間コンクで見続けた後だったので、この大聖堂のステンドグラスの鮮やかな色彩に目が覚めるような気持ちになった。

 


大聖堂内部

 スーラージュ美術館近くのレストランで昼食を取ったが、砂肝のコンフィのサラダ(Salade de gésiers)、イカ墨のパスタ、デザートのセットメニューで15.5ユーロと格安だった。デザートもカフェ風なキャラメル味のブラウニー。

 午前11時ごろロデスに着き、午後6時半アルビ行きのバス(1人、2ユーロ。列車に比べてバスは相当安い)に乗ったため、約7時間の滞在。暑過ぎず、雨も降らない日で快適に過ごせた。

 ちなみに街は高台にあるので、駅から路線バスでロデーズの街中心部に移動した。