パリ徒然草

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パリのピラミッド それは庭園建築物(フォリー)

 パリのピラミッドと言えば、地下鉄駅ピラミッドであり、ルーブル美術館のガラスのピラミッドを思い浮かべる人が多いだろう。でも、パリにも石造りのピラミッドがあるのだ。

 

 じゃ~ん。これ。

 8区モンソー公園。砂漠の中ではなく、緑溢れる公園の中にそれはある。

 

 オペラ座の見えるピラミッド駅や美しい現代建築のガラスのピラミッドよりも、こっちの方がピラミッドらしいと言えないかか?小型ではあるけれど。

 

 これは、英語でフォリー(folly)と呼ばれる。フランス語だと、Fabrique de jardin(ファブリック ドゥ ジャルダン)。西洋の庭園などにみられる装飾用の建物で、通常の建築のように居住や雨風をしのぐといった用途がまったくないものを指す。

 

フォリー ウィキペディア

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AA%E3%83%BC


 マリー・アントワネットのために建設されたヴェルサイユ宮殿内の小トリアノン宮殿にある「愛の神殿」(Temple d'amour)、王妃の村の農家を真似た建物などが知られる。

 

 18世紀のイギリス式庭園(風景式庭園)やフランス式庭園(平面幾何学式庭園)にはしばしば古典古代の美徳や理想を象徴するローマ建築の神殿や廃墟が設けられた。ロマン主義や異国趣味が広がった18世紀にはほかにも、中国風(シノワズリ)の寺院、古代エジプトのピラミッド、廃墟と化した修道院タタール人の天幕などさまざまな文明の象徴物を模したフォリーが建てられた。田園の美徳を象徴するため、質素な村落、水車、田舎家(コテージ)などを建てた例も見られる。“Folly” は英語では通常「愚行」などを意味するが、これは悪意を込めた用法ではなく、陽気な戯れから使用されている。

 

 モンソー公園は、オルレアン公ルイ・フィリップ2世(1743-1793)が自ら所有していた土地を、18世紀の造園家・カルモンテール (Carmontelle) にオランダの水車、パゴダ、ピラミッドなどの庭園建築物(フォリー)などを配置・設計させた「幻の世界」なのだ。

 

 ピラミッドパワーはご存知だろうか。ピラミッドパワーとは、ピラミッド形の物体に宿っているとされる、不思議な力のことである。ピラミッドには腐敗を防ぐなど不思議な力があるらしい。迷信だろうか。

 しばらくピラミッドに座ってみた。子供たちがよじ登って遊んだりもするモンソー公園のピラミッドだが、午前中の公園には子供も少なかった。パワーはチャージされたろうか。太陽の光が眩しかった。

 そして、こちらの建物もフォリー?

 

 いや、この建物はフォリーじゃない。なぜなら公共トイレとして使用されているから。

【写真はモンソー公園で撮影】