パリ徒然草

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ノエル・ギャラガー鑑賞記 11月11日パリ

 きゃ~、ノエルさま♥😍

 カッコ良すぎました。

 11月11日、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ (Noel Gallagher's High Flying Birds)のパリ公演当日。

 

   時間はたっぷりあったのに、何をプレゼントしようか考えたり、何を着ていくか悩んだり、いつもしないお化粧を念入りにしてみたり、サインをもらえるかも、とアルバムやマジックを準備したり、妄想たっぷりで、会場に着いたのは30分前。(結局、プレゼントも渡せていないし、サインももらえていない)

 

 Tシャツを買ったり、トイレに行って入場。それでも、私は、前の方に進み、ずんずん、ぐいぐい進み、前から6列目くらいの立ち見でした。

 

 前の方だと全体のステージは見えにくいので、ノエル様を中心に公演の1時間半の間中見つめてしまいました。見つめ続けるってある意味、暴力ですよね。一般人に日常の場で同じことをしたら、許されない。一歩間違えたら私はストーカー。

 

  ノエルはイケメン、あなた面食いーと同僚に言われたけど、実物は確かに凄ーくカッコ良かったです。

 

 天はノエル様に、二物も三物も四物も与えたのですね。ソングライターとしての天才ぶりは言うまでもなく、歌もギターも素晴らしいし、ノエル様自身が撮影した「カウンシル・スカイズ」(最新アルバム)の表紙やブックレットのマンチェスターの写真もカッコいい。

 

 ステージにはたくさんの花が飾られ、ひまわり、すすき、いろんな花が飾られていた。

 

 ロックのステージにお花。なぜ花がたくさんなんだろう?と私なりに考えました。ノエル様の以前のバンド、オアシスの名曲「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」のシングルジャケットの写真もカーネーションでドラムなどの楽器が埋もれていましたよね。これは、ザ・ビートルズへのオマージュであるとのこと。ノエル様は「ベースにしているのは、リンゴ・スターザ・ビートルズを一時的に脱退した後、レコーディングのスタジオに戻ると(復帰を祝って)自分のドラムセットが埋もれるに程たくさんの花で飾られているのを目にしたというエピソードなんだ」と語っていました。

 

 ノエル様も、以前に一緒に演奏していたけれど、今、ここにいない誰かを思って、ステージに花を飾っているのだとしたら…。勝手な妄想を膨らませてしまいました。いや、いや、たぶん、関係なさそう。

 

 80年代、ザ・スミスというバンドのモリッシーも花束を振り回しながら歌ってましたよね。もっと昔にさかのぼると、フラワーチルドレンという言葉があって、1960年代から1970年代にかけてムーブメントを起こしたアメリカのヒッピーのことで、ベトナム戦争を背景に、反戦を叫び、平和と愛の象徴として花で身体を飾っていたためにこう呼ばれていました。関係あるのかな?平和と愛の象徴として花が飾ってあるのかな?

    ステージには、サッカーリーグ、 マンチェスター・シティジョゼップ・グアルディオラ監督の人形(? 等身大写真?、上の写真右手)がいました。ノエル様が尊敬する友人で、インスピレーションの源(みなもと)にもなっているらしい。ステージに彼がいることで、ノエル様がいい演奏ができるなら、ファンとしても嬉しいです。

 

 私はどんな客が他にいたのか、と聞かれても答えられないくらい周りを見ていなくて、他のミュージシャンも見ていなくて、ノエル様だけをニコニコと笑顔で見つめてしまいました。

 

 すみません。一般的にそれは許されない行為ですよね。すみません。こんな私のような奇妙な人間がごまんと寄ってくるのだから、ロック・スターという商売は、なかなか因果な商売ですね…

 

 コンサートは、クラクションのような音が鳴る中、ステージが暗くなり、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズのミュージシャンたちが登場。一曲目は最新アルバムの「カウンシル・スカイズ」からPretty Boy。踊りやすい曲。わー、この曲で私は踊り始め、既に空に飛び上がった気分でした。

 

 そして、2曲目「カウンシル・スカイズ」。この曲で踊れて嬉しかったー。私は、マンチェスターの空まで、飛んだ気分です。空の色のスカーフを巻いていって頭の上で振ったけれど、ノエル様に見えたかなあ。背景に流れる映像作品も、アートしていて、素晴らしいものでした。ただ、私の場所からは、三分の一も見えなくて、公演数日後 、ネットニュースやYou Tubeでじっくり見ました。

 

 5曲の「カウンシル・スカイズ」の曲が終わった後でやっとMC。ツンデレキャラですね…あまりお話してくれないノエル様。thank You とみんなに言った後に、「You!」とノエル様が声を荒げました。観客の中に迷惑行為をした人がいたようで、その人に対して注意を促したのです。この後、私の前を3人の体格の良いセキュリティの男性たちが通っていきました。

 

 このとき、私が思ったこと。わあ、私も、ノエル様に「You!」と声を荒げられて叱責されてみたいなあ。だみだ、こりゃ…。

 

 演奏は素晴らしかった。全19曲。どの曲も素晴らしい。アルバムとほぼ同じと思うほどの完璧な演奏と歌にコーラスの女性たちの華やかさが加わっていました。観客もコーラスを入れたり、一緒に歌ったり。後半のオアシスの曲では会場全体が歌ってました。

 

 どれも良かったけれど、特にオアシスの名曲Live forever で心を鷲掴みにされました。私は、この曲をノエル様が歌っているのを聴くと泣きそうになります。Zenithの会場全体も震えていたと思います。

 

実際に私が見た位置からのLive foreverの演奏

https://youtu.be/QTOSfWrcqoA?si=_bh1m2Vi6I4Lwwgd

 

 ノエルギャラガーって人は、とても繊細で、純粋で完璧主義者だろうなあって私は、勝手に感じるんです。

 

 あんなに成功していて、あんなに人気者で、お金持ちなのに、どこか寂しそうとも思いました。子供のころからずっと寂しいままなのかなあ。なんだろう。近くで見続けたら、そう感じてしまいました。

 

 でも、だから、今も、次々と名曲を生み出しているのかもしれないし、多くの女性たちの母性本能をくすぐってしまうのかもですね。(注; 観客は約6割男性です)

 

 は〜〜。ため息。

 

 ラストソングは、私が2015年にパリのレピュブリック広場での演奏を聴いて感動したオアシスの名曲「ドント・ルック・バック・イン・アンガー(怒りで過去を振り返るな)」。会場が一体となって歌いました。

 

 この曲の前に、ノエル様がラストソングだと、告げると、会場からもっと演奏してほしいの意味のブーイング。ノエル様は会場のブーイングのマネをして、笑わせます。ここでのMC聞き取りにくかったのですが、私には、ノエル様が「来てくれてありがとう」と言ったように聞こえました。「14年、15年前のミステイク(?)にありがとう」とも。

 

 14年前と言えば....。オアシスとして2009年8月にパリのロック・フェスに出演を予定していたところ、ノエル様が弟のリアムとバックステージで猛烈な言い争いになった後、そのままオアシスを脱退したというあの事件ですよね。

 

 そして、この曲は「パリで書いたんだ」と言って、パリを怒りで振り返るな的なことを(MCはっきり聞き取れなかったので、私の解釈です)話して、「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」が始まりました。この曲をパリで聞けること、一緒に歌えることは特別なことなんだと私は感じました。

 

Don't Look Back in Anger in Zenith Paris

https://youtu.be/aAUjuNSo5WY?si=gsYdZS7kT2qpTXjD

 

 この曲は、ノエル様自身が過去のインタビューで1995年にパリのピガールのストリップ劇場で演奏後、雨の中、ホテルに帰って書いた曲だと語っているからです。

 

 演奏は完璧でプロフェッショナルであったにもかかわらず、実を言うと、私はノエル様ご自身は普段に比べて、リラックスしていなさそうに感じました。あくまで私が感じたことです。パリは、ノエル様がリラックスできない街なのかなあ。ごめんね。パリで演奏してくれて、ありがとう。

 

 それから、セットリストを良く見て欲しい。年代順なのよね。最新アルバムから昔のアルバムへ。どこかの美術展や大学の講義みたーい。ロックっぽくなくて、笑える。新しい曲から古い曲への年代順。貴重面な人柄を垣間見た気がして面白い。

 

 公演が終わったと知ったとき、悲しい気持ちになりました。まだ叫び続ける私。何なの、この感情。自分でもびっくり。ぽっかり穴が空いたような寂しさ。それとも、あまりにも見つめすぎたせいで、ノエル様の寂しさのかけらをもらってきちゃったのかなあ。

 

 翌々日、パリの空の下で、ああ、ノエル様はもうパリにいないのね。寂しい。マンチェスターの空をまた、連れてきてほしい、と思ったのでした。嗚呼、ノエル・ロス!。

 

 2015年にレピュブリック広場での公演を聴いたときは、こんな感情になる日が来るなんて思わなかった。あのときのノエル様の顔全然覚えてないし写真も一枚も撮っていないし。

 

 

 最後にMCで、See you next time. Revoir(また、会おう)と言ってくださったことが救いです。

 

 

 記念品をたくさん買って私の心を慰めよう。物販が意外と少なくてガッカリ。スマイリーのトートバッグあるかなと思っていたのになかった。Tシャツを2回買いに行ったのですが、ライブ前だとSサイズが買えましたが、ライブ後に行ったらXLサイズしか残っていなくて、早めにゲットするのが大事なようでした。

 午後23時を過ぎて暗くなったパリ19区。ライブ後、Zenithという会場を出たら、ポスターを3ユーロで売る人がたくさんいて、買おうとしたら、5人くらい一気に、販売の人たちが、寄ってきて面白かった。笑える。

 

 普通だったら、怖いかもだけど、テンション高かった私。もっと歩くと、ポスターを2ユーロで売っていた人も、いたので、日本のファンに送ってあげれば良かったかも。

 

 ポスターは、嫌がる夫と交渉しまくって、お手洗いに飾っています。夫に「トイレで用を足すたびにこいつに見下されて怖い」と言われています。

  

 私が夫にノエル•ロスで鬱なの、と話したら、夫に「残りのヨーロッパツアー全部行ってくればいいよ」「君が幸せであることが大事だからね」と言われました。うわ~、心が広いねー。さすがフランス人!フランス人ならではの発想か?私が思いつきもしなかった考え。凄ーい、いい考えー♥😍。

 

 いや~、仕事あるし、お金かかるし、行けないよー。ロックバンドなんかにすべてをかけちゃだめだ、と歌ってるしね。

 

 

セットリスト全19曲
Pretty Boy
Council Skies
Open the Door, See What You Find
We're Gonna Get There in the End
Easy Now
You Know We Can't Go Back
We're on Our Way Now
In the Heat of the Moment
If I Had a Gun...
AKA... What a Life!
(Dedicated to Manchester City fans)
Dead in the Water
Going Nowhere
(Oasis cover)
The Importance of Being Idle
(Oasis cover)
The Masterplan
(Oasis cover)
Half the World Away
(Oasis cover)
Little by Little
(Oasis cover)

Encore:
Quinn the Eskimo (The Mighty Quinn)
(Bob Dylan cover)
Live Forever
(Oasis cover)
Don't Look Back in Anger
(Oasis cover) 

 

デュッセルドルフでのライブ(公式)

https://www.youtube.com/live/axXbdVh0DfA?si=Tmshu1_zzDC6_wB5