芸術の秋ーということで展覧会を見るためにオランジュリー美術館に行ってきた。オランジュリー美術館はモネの睡蓮の部屋で有名だが、目的はそれではない。”Heinz Berggruen, un marchand et sa collection
ハインツ・ベルクグリューン 1人の画商とそのコレクション”展を見るためだ。
私にとっては、初めて見る作品ばかり。100点ほどの展示だが、個人的に印象に残る作品が多い、素晴らしい展覧会だった。
ピカソ、マティスもフランスでたくさん見たことがあった。でも、ここに展示されているのは、見たことがない作品ばかりだった。
【ピカソ↑】
【マティス↑】
上の6点、すべてピカソの作品だが、どれも素敵だなあと思った。
ピカソのこの作品↑は、砂を使っている。近くで作品を見れる面白さがあった。
こちらは、ピカソの「眠る男」↑
このピカソの作品↑は額装も含めて素敵だなあと思った。
ピカソの「Ma jolie」と題した作品↑友人のエヴァ・グエルに付けたあだ名にちなんで付けたタイトルと説明があった。シックな色合いだけど♥形。
ここに展示されているのは、すべてハインツ・ベルクグリューンのコレクションなのだが、画商でギャラリストだったハインツ・ベルクグリューンは、晩年のマティスが取り組んだ切り紙絵の展覧会を初めて開催した人でもあった。
切り紙絵を近くで見る↑。継ぎ目が見れて面白い。
マティスの切り紙絵を見るのが楽しい。
マティスの作品2点↑。窓の外に海。憧れるなあ。
ピカソとマティスという2大巨匠の作品が見れて、既に大満足と思うかもしれないが、私がこの展覧会で、もっとも感動したのは、クレーだった。パウル・クレー (1879-1940)、スイスの画家である。クレーの作品は、パリでは、あまり見ない。私は、スイスのベルンを訪れた際に、数点のクレーの作品を見たことがあった。
上の14点すべてクレー(クレーは他にもあった)だが、なんという色彩の美しさよ。一つひとつじっくり見るのが楽しい。
画家はもちろんだが、コレクター、ハインツ ベルクグルーエンの審美眼を称賛したくなった。
【平日午前中に行ったが、かなりの賑わい。世界中の美術好きの皆さん分かってらっしゃる】
ドイツベルリンのユダヤ人家庭生まれの美術商、 ハインツ・ベルクグリューン(1914-2007)は、1947年からパリで画廊を経営しながら自分自身のために作品を収集し、世界有数の個人コレクションを作り上げた。 画商であると同時に、購入者でもあり、クレー、ピカソ、マティス、ジャコメッティの作品を熱心に購入した。
【ジャコメッティも展示されている↑】
この展覧会は、パリのオランジュリー美術館で2025年1月27日まで開催