パリ徒然草

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ピカソ美術館×ポール・スミス フェミニズムからのピカソ批判の中で

 2023年はパブロ・ピカソが世を去ってからちょうど50年になる節目の年。それを記念してパリのピカソ美術館で彼の生涯を振り返る回顧展が開かれている。その特別な展覧会のゲスト・キュレーターとして招かれたのがイギリス人、ファッション・デザイナーのポール・スミス氏。会場がポール・スミスのカラーにインテリアコーディネートされている。

 お洒落な壁紙。ストライプの絨毯。ポール・スミスのオシャレさとピカソの芸術のユニークさが一体となって楽しめる。

 フランス語の記事によると、このパリのピカソ美術館に、5月12日、フランスのマクロン大統領とスペインの文化大臣が来ていた。ピカソの没後50周年に関連して、遺族に謝意を述べ、改めてピカソの作品に賛辞を送るためだが、背景には、ピカソへの厳しい批判がある。

 ピカソがモデルとなった女性との同棲などを繰り返し、時には複数の女性と同時に付き合っていて、別れた後の女性たちが悲惨な運命をたどったことについての研究が進められ、女性の人権を著しく蹂躙した男として歴史に刻もうという動きがあるのだ。

 

美術手帖のサイトでこんな記事を見つけた。

ピカソによる女性の扱いに抗議。スペインの美術教授らがピカソ美術館でサイレントデモ」

https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/24165

 

 この記事で取り上げられているピカソの恋人、ドラ・マールによるシュールレアリズムな写真の作品も展示されていた。ウィキペディアによると、ドラ・マールはピカソに出会った後、写真家から画家に転向しようとしたようだ。

ドラ・マールによる写真も↑