フランスの作家、ギ・ド・モーパッサン(1850年- 1893年)にイタリアのシチリア島旅行記があるのを知らなかった(下の写真が本の表紙)。
私もシチリア島に4年前に行った。パレルモ、タオルミーナ、シラクーザ。モーパッサンと違って、何も書き残していない。
ふらりと入ったシラクーザの海の見えるレストランでツナとトマトの漁師風パスタを食べて以降、自分でも、ツナとトマトのパスタをしばしば作るようになって、シラクーザを思い出すので旅というのは、自分の何かを変えるのだろう。
シチリア島を賛美しているモーパッサンはエッフェル塔の一階のレストランでしばしば食事したのだそうだ。
理由はエッフェル塔が好きだから?
否、全く逆でエッフェル塔を見るのが嫌いだから、だそうである。あまりに奇抜な外見のため、建設当時は賛否両論に分かれたエッフェル塔。1887年2月には、モーパッサンら建設反対派の芸術家たちが連名で陳情書を提出している。
エッフェル塔が美しいかどうか、議論する人は、今でもいるのだろうか。美醜は、他者の意見でどうにでも左右されるものなのかもしれない。時代で変わるものかもしれない。
バスがトロカデロのロータリーを回る瞬間に車窓から見えるエッフェル塔が私にとってのパリのエッフェル塔だと感じる。最も、郷愁を感じるエッフェル塔である。
【エッフェル塔を見ながら木の下でくつろげるトロカデロ庭園】
エッフェル塔はパリ観光のアイコンでありながら、このような個人的体験もたくさん生んできた。世界には、エッフェル塔と(と! 「エッフェル塔で」ではなく「と」!)結婚した人もいるらしい。エッフェル塔に恋したのだそうだ。
個人的には、モーパッサンのようにエッフェル塔1階で食事せずとも、私はエッフェル塔を見る機会はあまりない。パリの中にもエッフェル塔が見えない場所は結構ある。今日の写真を撮れたのも、わざわざ行ったからである。
さて、今、エッフェル塔付近のどこで食べるのか。
例えば、ここである。
は?
ここは、日本?
まるで、日本のファミリーレストランのようなのぼり旗。日本語ですね。みんな、読めるのかな?
大漁旗が一瞬、鯉のぼりに見えた。
トロカデロ庭園北東側を下ったところにあるHanamiというレストランテラス。シェフはYoake sanというフランスのチャンピオンシェフを決める番組に出演した若いフランス人女性のようだ。メニューは寿司や焼き鳥...。時代も変わったなあ。
ちなみに現在、トロカデロ庭園の南翼側(西南の「パッシー」側)国立海軍博物館 (Musée national de la Marine) と人類博物館 (Musée de l'Homme)がある側は、工事中で通り抜けができなかった。