パリ徒然草

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ワクチン未接種者のトイレ問題

 フランスにも公共トイレはあるのだが、パリの公共トイレは正直、私は使用したくない場所の一つである。オートマチックで機械洗浄のトイレが多く、閉じ込められる感があり、一度、機械の誤作動なのか、中にいるときに水が流れ出し、水浸しになったこともあった。


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 コロナ禍の冬の間、私物がたくさん置いてあるのを目撃したこともある。路上生活者の居場所になっていたのだろう。路上にある公共トイレは衛生的に近づきたくない状態になっていることが多く、あまり使いたくないのである。

 

 衛生パスポート適用範囲拡大以前は、カフェ、レストラン、図書館、デパートでお手洗いを使用させていただいてきた。ありがたかった。だが、衛生パスポートの提示がないと、これらの施設は使えなくなった。当然、外出時は極力水を飲まないようにもする。あまり体にいいことだとも思えない。


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 先日、午前11時くらいに出かけた。家に帰ってきたのは午後7時少し前。8時間以上外にいた。幸いにも、お友達の家でお手洗いを一度お借りすることができて助かったが、女性の場合、生理の問題もある。

 

 お手洗いの問題があるので、私はここ数週間、ロックダウンに非常に近い暮らしになっていた。これまで10キロ以内移動可能のコンフィヌモン(外出制限)などがあったが、あの頃はお手洗いの問題はなかった。

 

 抗原検査を受けて、新型コロナの陰性証明を持って、これらの場所を使うのが解決策である。

 

 昨日、この検査を受けた。薬局に行き、健康保険証を出し、薬局の前のテントに行く。検査は鼻から採取するもので、すぐに結果が出て陰性だった。薬局で衛生パスポートのQRコードをプリントアウトしてもらった。20分くらいかかった。それでも、現在は健康保険証所持者は無料だからまだいい。

 

 私が待っている間、保険証を持たない人が、抗原検査の検査料を尋ねた。「29ユーロ」という答えだった。尋ねた人は、高額過ぎると思ったのだろうか、検査を受けずいなくなった。

 

 映画館、レストラン、カフェに行ったが、どこも衛生パスポートのQRコードを求められた。小さなレストランでテラスだけ営業している所ですら衛生パスポートを求められた。この点はイタリアの衛生パスポートと大きく違う。夫は、イタリアの記事を読んでこんな話をしていた。「イタリアでは、レストランのテラス席はワクチン未接種者でも入店できるんだけど、レストランがワクチン未接種者をテラス席に、接種者を室内に分けたところ、みんなワクチン未接種だと言い始めたんだって」。

 


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 アメリ疾病対策センターCDC)は7月末、新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」に感染した場合、ワクチン接種者の体内でも未接種者とほぼ同量のウイルスを生み出すことを示す研究結果を公表した。このようにデルタ株では、非接種者と2回目接種者が等しく感染し、他者に感染させられるという研究結果が出てきている。デルタ株感染対策のための衛生パスポートという大義名分は破綻している、と私は思う。

 

CNN「デルタ株、感染したらワクチン接種者でも同じウイルス量 米CDC

https://www.cnn.co.jp/amp/article/35174615.html