パリ徒然草

パリでの暮らし、日本のニュース、時々旅行、アート好き

テレビ局の情報操作を糾弾する黄色いベスト運動と歩いた

 11月6日土曜日。

 土曜日はこのブログにも何度も書いた衛生パスポート反対のデモの日。

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 これまでパリ中心部のデモに参加して来たのだが、たまには、全く知らない地域を歩いてみよう、という軽い気持ちで、15区の地下鉄8番線の終点駅バラード近くのBMFTV前を出発するデモに参加した。歩き回る場所にメディアがあることは知っていた。

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 行ってみると、いつもの行進に比べて人が少ない。場所柄か、参加者もグッチのバッグを持っていたり、裕福そうな身なりの人が多かった。

 それは、テレビ局などメディアに向かって拡声器で叫んだり、歌ったり、路上に文字を書いたり、楽器を慣らしたりパフォーマンスするデモ行動だった。

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【上の2枚の写真はテレビ局から見えるよう地面にLes medias sont virus(メディアはウイルスである)と書いている】

 一番最後のラジオフランス以外は、私は、初めての場所だった。黄色いベスト運動のデモがなければ、パリにいても一度も訪れることは、なかったのかもしれない。France TV、 France 24、Cnews。放送局は、どれも、ガラス張りの無機質な近代的ビルだった。

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 「メディアやテレビにあなたたちは操作されている」「テレビを消そう。脳を目覚めさせよう」といった内容を叫びながら歩いた。これは、一面の真実だと私は、思う。メディアは、あることに焦点を当て、あることには焦点を当てない。

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【背景の建物はマイクロソフト社】


 日本だと、社会評論家の大宅壮一は、1957年、「一億総白痴化」という流行語を生んだ。「テレビというメディアは非常に低俗なものであり、テレビばかり見ていると人間の想像力や思考力を低下させてしまう」という意味合いの言葉である。最近では、大学教授の武田邦彦氏も新型コロナウイルスの情報に関連して「テレビウィルス」というタイトルのYou Tube動画を出していたし、船瀬俊介氏の「テレビは見るな! 新聞は取るな! (日本の真相!)」(2020年6月)も出版されている。

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 午後2時半に集合し、放送局を巡りながら歩いていると、エッフェル塔に明かりが灯り、パリは日が暮れてきた。ラジオフランスの建物の向こうに遠くに見える夕焼けがきれいだな、と私は思った。
 
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 参加者はあっという間に夜の帳に包まれた。それでも叫び続けた。巨大なコンクリートの要塞のような建物の前で、薄暗がりの中で、叫び続けた。

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メモ 衛生パス反対デモは17週目。フランス全土でこの日、29.000人が参加したとされる。

たまたま見た同じ主張をしているYou Tubeで見たので、貼り付けました
【世論誘導!メディアのイロハ】加治将一
https://youtu.be/3hQQummU2Gs