パリ徒然草

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プレゼントをあげる幸せ

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 パリにプレゼントを求める人、買った人たちが溢れている。身なりのよい年輩の御婦人が大きな金色の包みを2つ抱えて歩いていた。その金色が太陽の光に反射する。幸せな光景、私も幸せになる。

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【パリの百貨店ボン・マルシェのショーウインドー】

 誰かを思い、プレゼントを買う。

 それって、それ自体が幸せなことじゃないか。


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【数年前のクリスマス、このお店で真鍮のジョウロをプレゼント用に買った。リクエストの探し物が見つかって嬉しかった】

 去年のこのブログには、いただいたプレゼントの写真を載せた。

 去年は書かなかった気がするけど、いただいたということは、私もその人たちにプレゼントをあげたのだ。

 今年はクリスマス用に10の包みを準備している。それ以外に、日本に、カナダに、南仏に、送る小包もある。日本には既に3つ送った。

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【自分で包装している。包装途中】

 10の包みだが、本や紅茶も入れたりして、年々福袋風になってしまう。

 今年は、自分の好きな物をあげることにした。このブログでも紹介したイスラエルのブランド•Sabonのお風呂で使える商品、日本のブランド•ルピシアの紅茶、日本のブランド•MUJI(無印良品)のスリッパ、フランスの婦人服NAFNAFというブティックの商品など。自分でも、使っているものが多い。

 パリでは、今週末、デパートのプレゼント用の包装は大勢の人が列をなしているだろうから、私は週末の今日はデパートやブティックに近づかない。

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【ボン・マルシェの店内】



 そして、スーパーMONOPRIXで買っておいた包装紙で、買っておいたプレゼントを自分で一生懸命包んだ。重労働だ。

 自分で作ったアクセサリーもプレゼントに入れたり、ちょっとしたカードを書いて入れたり。時間はかかる。でも、こうやって誰かを思いながら準備する時間の中に幸福はある気がする。

 日本にも、お歳暮という習慣はあるが、お金さえ払えば、デパート等で送れば、自分でやることは案外少ない。そして、子供へはお年玉は、お金をあげるイメージ。

 それも悪くないが、フランスの夫の家族はプレゼント交換会を開催する。それらは、自分自身でクリスマス用包装紙で包んである物が多い。ツリーの周りに置かれた包み紙を25日午前零時に一斉にみんなで開けて大喜びするという一大イベントである。

 実を言うと、最初のころ、このプレゼント交換会、使わない物、使えない物をたくさんいただいたり、同じ物がたくさん被ったり、いろいろあった。正直に言うと、何年か保管して捨ててしまった物もある。パリに来た1年目に高級な世界のスパイスセットをいただいて右も左も分からず、宝の持ち腐れになったり。。。(まあ、そういうことは日本の結婚式の引き出物でも何度かあった。自分があげた物だって、喜ばれたかは定かではないけれど。)

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【2019年のクリスマス。ツリーの下に置かれた、たくさんのプレゼント】

 最近は、プレゼントはコミュニケーションのためにあり、その人を知る機会なのだと思うようになった。

 中には、年に、4,5回しか会わない夫の家族もいる。プレゼントをあげる習慣があることで、あの人はシナモンが好き、あの人はコーヒーを飲まない、あの人はピアスが空いている、あの人の服装の趣味はこんな感じ、などと相手への関心が高まる。いただいた物で、その人の好みも分かる。

 買う瞬間にも物語があって、その物語が食事中の話題の一つになったりする。

 美術館のチケットやシャンパンをいただいたときは、今日行ったんだ、良かったよ、写真付きで新年に飲みました、と報告し合う。プレゼントが新しい物語を作るのだ。

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【ボン・マルシェのショーウインドー】


 包装を終えて、ちょっと疲れて、街に出た。そうだ、自分自身にも、プレゼントしよう。他にお客さんのいないブティックで、自分用に、セーターを買った。結局のところ、自分に似合う物は、自分が一番良く分かるし、自分で、買うのも悪くない。このセーターを着て、また、新しい物語が生まれる。