パリ徒然草

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バスを乗り間違えて着いた町ーヴァンス

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 2021年8月7日、バスを乗り間違った。



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 南仏カンヌから列車でカーニュ・シュル・メールの駅に降り立った。工事があちらこちらで行われていて、バス停を探している間に、バスがやってきて、走ってバスに乗り込み、バスの番号を良く見なかった。

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 乗った後、気づいた。あー、このバスは、ヴァンス行きだ。間違った。サン・ポール・ド・ヴァンスに行きたかったのに....。

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 ヴァンスとサン・ポール・ド・ヴァンスはバスだと10分足らずだけど、徒歩で歩くと、結構ある印象。数年前、ヴァンスに宿泊していたとき、サン・ポール・ド・ヴァンスを通る最終バスに乗り遅れそうになった。運転手が気づいて走って何とか乗り込み、これ、もし、乗れてなかったら大変なことだったと思ったものだ。

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 では、今乗っているバスをー停留所前で降りて歩いたらどうだろう。地図の直線距離だと大したことないが、車窓から見ると、深い谷間があって、とても歩けそうに見えなかった。

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 ヴァンスまで行って、目的地のサン・ポール・ド・ヴァンス行きのバスに乗ろう。

 着いてみたらバスの待ち時間が45分間あった。その間、ヴァンスの街を散策し写真を撮った。今日、その撮った写真を見ると、いい感じだ。

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【ヴァンスの街角には絵筆を持ったアンリ・マティスの写真が展示されていた】

 約20年前、旅行でヴァンスに初めて来たのは、偉大なアーチスト、アンリ・マティスの集大成とも言われるロザリオ礼拝堂見学のためだった。私がここに、来たかったというよりも、一緒に旅した友達がここに来たかったのだ。このロザリオ礼拝堂見学が組み込まれた団体ツアーは見つからず、個人旅行で行くしかなかった。

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 日本に住んでいた当時、ヨーロッパに来るような長期休暇を取ることが難しい会社で働いていたし、個人旅行は準備が大変だから、出発前は、友達もその場所にこだわらなければいいのに、と思っていた。

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 貴重な一週間程度の旅行の中で、どこに行くかはとても大事だった。ロザリオ礼拝堂が開いていない曜日があったりして計画を立てるのが難しかった。

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 そうしてやっとの思いで着いたロザリオ礼拝堂。ニースに宿泊していてバスでやってきて、その後プチトランという乗り物に乗って、はるばるやってきた。

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 そこで見たステンドグラスの世界。黄色とブルーとグリーンの静かな世界。白い壁や床にステンドグラスの光が反射している。小さな場所なのに、静かで穏やかで感動した。

 自分だけで世界を見ると、大事なものに気付けない。友達が新しい世界を見せてくれたと今でも、感謝している。

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 今では、ロザリオ礼拝堂も数回見学した。数年前に夫とヴァンスに宿泊し、ゆっくり、ロザリオ礼拝堂を見学した。宿泊してみると、夜や明け方のヴァンスという街そのものも魅力的だった。

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 今回はロザリオ礼拝堂までは行かなかった。谷間の向こう青い屋根がロザリオ礼拝堂だ。

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 バスを乗り間違えたおかげの30分程度の散策。間違って回り道するのも悪くない。

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ロザリオ礼拝堂の動画(フランス語だが、短いので映像だけでも、おすすめ)
https://youtu.be/k5X0YagItPE

【写真はすべてヴァンスにて】