パリ徒然草

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オリーブの木のある庭の美しさ!ーカーニュ・シュル・メール

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 「Renoir」というタイトルの映画のDVDを見た。画家オーギュスト・ルノワールの晩年のカーニュ・シュル・メールでの生活が描かれ、日本では『ルノワール 陽だまりの裸婦』として2012年に公開された映画だ。ドキュメンタリー映画ではないが、原作はルノワールのひ孫にあたるジャック・ルノワールで、実在した人物と事実がベースとなっている。

 映像が絵画のように美しい。特に庭でモデルがポーズを取るシーンの美しさ、と言ったら!。

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【映画の1シーン】

 妻を亡くし、リウマチで苦しむ晩年のルノワール。モデルとして現れた若く美しい娘、アンドレ。彼女をモデルに美しい庭で最後の力を振り絞って絵を描く。最晩年の傑作「浴女たち」(オルセー美術館所蔵)が生まれた。

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【映画の1シーン】


 映画の中に出てくるルノワールの次男ジャンは、『大いなる幻影』などで知られる映画監督の名匠ジャン・ルノワールジャン・ルノワールの後期の映画『草上の昼食』の庭でのシーンは、実家であるカーニュのルノワール家の庭で撮られたのだという。

 その庭は公開されている。

 カーニュ・シュル・メールのルノワールの庭に、初めて行ったのは、約20年前、友人と一緒の旅行でのことだった(ヴァンス、サン・ポール・ド・ヴァンスも行った、その旅行だった)。チャーターした車で個人旅行のガイドが連れてきてくれた。

 オリーブの木のある庭。そこから見えるオードカーニュの鷹の巣村。素晴らしかった。

 その後、数年前に夫を連れてここに、来たのだ。パリジャンの夫は、近くのサン・ポール・ド・ヴァンスもヴァンスのロザリオ礼拝堂も、ルノワールの家も来るのが初めてだった。

 映画を見ながら、この庭を思った。撮影自体は実際の庭ではない気がしたけれど。

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ルノワールの家の庭、昨年8月】

 画家ルノワールは庭のオリーブの木が伐採されると聞き、保存するためにその地を買って移り住んだのだと今日、知った。今でも、その地にオリーブの木があるのはルノワールのおかげなのだ。そう思うと感慨深い。

 後に、ジャン・ルノワールの妻となる女優、アンドレ(カトリーヌ•エスラン)についても、この映画で初めて知った。

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ルノワールの家の門、昨年8月】

 ちなみに昨年8月7日にも私はこのルノワールの家の門をくぐった。衛生パスポートを持っていないせいで、美術館のある庭の敷地内に入ることができなかった。私が猫とか鳥とか蝶なら柵を越えて庭に入れたかもしれないなあ。映画の美しい庭の映像を見ながら少し残念に思った。

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オリーブの木が繁る庭、昨年8月】


You Tubeで見つけたルノワールの家の映像
https://youtu.be/ADEqbHyZUp0


 20年前の一週間の個人旅行の行程を思い出した。
ニース5泊か6泊
2日目 ニース、マチス美術館、シャガール美術館
3日目 ヴァンス、サン・ポール・ド・ヴァンス
4日目 アンティーブのピカソ美術館 ヴァロリス ピカソの礼拝堂
5日目 カーニュ・シュル・メール、ビオット、グラース•フラゴナール香水博物館
6日目 エズ シャトー•エザのレストランで素晴らしいランチ
7日目 モナコ

 初めての南仏だった。フランスに数年住んだ今考えても、素晴らしい場所ばかり行く素晴らしい行程だったと思う。20年前の自分を今日、自画自賛しよう。