パリ徒然草

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夏のミディ・ピレネーの旅⑧ 美しすぎるトゥールーズ


【夜のトゥールーズのキャピトル広場】

 フランス南西部の街トゥールーズには、10年以上前、2ヶ月住んだこともあるし、約3年前にも訪れた。だが、今回一泊して、今改めて、自分のスマホで撮った写真を見て、私はトゥールーズの美しさを今まで何一つ知らなかったのかもしれないと思った。


 一番気に入ったのは、現代アートのトルコ出身フランス人、アーチストSarkis(サーキス、1938年生まれ)のインスタレーションが置かれたジャコバン修道院の中だ。

 ジャコバン修道院キリスト教の一派「ドミニコ会」が最初に建てた修道院として知られている。13世紀に南ゴシック様式総レンガ造りで建てられた。
 天井の高さ22メートル。見事なリブ・ボールトと22本のオジーブが「椰子の木」のように放射状に出ているさまが、素晴らしく、この建築だけでもユニークな傑作。 


 その中に置かれた現代アートの色とりどりのネオンが、中世の建築物と調和して、独特の美しい世界を作り出していた。

 その奥は夫イチオシの場所。有料(1人5ユーロ)だが、回廊、中庭、シャペルを見学できる。

 暑い日だったので、回廊にあるデッキチェアーでのんびり過ごした。

 トゥールーズ滞在中は気温が40度くらいあり、正直動きたくない暑さ、観光する気分になれなかった。滞在先が割と中心部にあるアパートホテルでテラスと冷蔵庫があった。暑い日に冷蔵庫があって、本当に助かった。

 翌朝、まだ涼しいテラスでバゲットとクロワッサンを食べることを想像し、夕方、蒸し風呂のようなトゥールーズでパン屋を探し求めて一人彷徨った。

 8月。一軒目のパン屋、夏のヴァカンスで閉まっっている。2軒目も3軒目も夏のヴァカンスだ。貼り紙をしている。4軒目のパン屋が閉まっていたとき、ああ、馬鹿なことをしている。スーパーでパン買おうと思った。

 一人歩いたとき、犬を連れ、タトゥーをしてヒッピーかパンクかというファッションの人たち、路上生活者たちとすれ違った。少し怖く感じた。夫が強く言わなければ、夜に外を出歩かなかったと思う。怖がりの私は2ヶ月住んでもこの街の夜のライトアップを見たことがなかった。

 初めて見る夜のトゥールーズは素敵だった。
 キャピトル広場からサンセルナン大聖堂まで歩いた。


【写真は、サンセルナン大聖堂付近】

 一人でいては経験できないことをたくさん経験できていることを夫に感謝したい。

 また、広間にキャピトル広場を再度訪れ、市庁舎内を見学した。市庁舎は無料で見学できておすすめ。

 

 オーギュスタン美術館、アセザ館は工事中で閉まっていた。残念。

 翌日、TGV OUIGOで、パリに戻った。パリまでの料金1人22ユーロ。トゥールーズもアルビの4泊は自炊ばかりで過ごし、結果的に節約の旅だった。



Sarkis (artiste)
https://fr.m.wikipedia.org/wiki/Sarkis_(artiste)