ルーアン、アミアン、ランス、ボーヴェ、シャルトル…フランスのさまざまな街で大聖堂を見た。アンジェのサン•モーリス大聖堂も、世界遺産の大聖堂に負けず劣らず、存在感を放っていた。
多くのフランスの街がそうであるように、大聖堂だけでなくアンジェの街でも教会をいくつか見かけた。この国はカトリックの国なんだという思いを新たにする。サン•モーリス大聖堂は、中でも、一際高くそびえていて、アンジェ城の城壁の上から見ても、際立っている。
【アンジェ城の城壁から臨むアンジェの街。写真中央に見えるのが大聖堂】
11 世紀から 16 世紀にかけて建てられたこの教会は、ロマネスク様式とゴシック様式の建築が混在し、華麗なバロック様式の祭壇と彫刻で知られている。フランスの 国定記念物。
修復工事中で、残念ながら入口付近は隠されていた。予備知識なく訪れたのだが、ステンドグラスの美しさに感動した。
一番古いステンドグラスは、12世紀のもの。12世紀のステンドグラスを美しいまま見れる奇跡に感動する。
【こちら↑は15世紀のステンドグラス】
【教会の中にあった説明板でステンドグラスが作られたのが何世紀なのか、知ることができた】
1泊2日の滞在中、3回もこの大聖堂に行った。一日の間に大聖堂に差し込む太陽の光は少しずつ違っていた。ステンドグラスの美しさと、観光地化されていない街の大聖堂内の静寂が私の心を穏やかにした。
知名度や世界遺産かどうかなんて関係ない。たまたま訪れた、名を知られていない小さな教会の中に佇んだ時間を数年経っても、覚えている。光が織りなす聖なる空間。私は12世紀を生きた人々に思いを馳せた。
【ファサードの8体の騎士の彫刻も面白い】