パリ徒然草

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オルセー美術館㊦ 印象派の作品

 オルセー美術館と言えば、印象派の所蔵作品数の多さで知られる。旅行で短期間パリに滞在し、オルセー美術館に行った場合、5階の印象派の作品だけ鑑賞して、帰ってしまう人もいるのではないだろうか。

 

 今回、私も印象派を特に鑑賞した。印象派の代表的画家とも、言えるクロード・モネの作品を見た。昨年秋にルーアンに行って、ルーアン大聖堂を見たので、モネのルーアン大聖堂の絵に特に惹かれた。モネは1892年から1894年にかけて、夜明けや日没後など様々な時間帯に、様々な気象状況のもとで、大聖堂のファサードを描いており、大聖堂の連作の総数は33点と言われている。

 ただの常設展示なのに、これだけモネのルーアン大聖堂の絵がまとまって展示されている美術館は、世界広しと言えども、ここだけだろう、と思った。

 オルセー美術館には、モネの描いた睡蓮の咲く庭の絵もある。↑美術館のブティックにこの絵のポスターも売っていて、思わず買ってしまった。

 

 モネの家と庭のあるジヴェルニーに行く人は多いし、私も何度か、行った。さらに私は、経済的に厳しかったころモネが住んでいたヴェトイユという小さな村にも行って、下のブログを書いたことがある。

  

http://franceartsanpo.blog.fc2.com/blog-entry-15.html

 オルセー美術館には、雪の日の、このヴェトイユの風景を描いたモネの作品もあった↑。

 

 先月、モレ・シュル・ロワンにも行ったので、アルフレッド・シスレーのモレ・シュル・ロワンの風景の絵↓にも惹かれた。今も変わらず、この橋も残っているが、先月は寒すぎて、橋のたもとまで、歩いて、この風景を見ることなく帰ってきてしまった。橋の向こうの正面右手の建物は、今ではクレープ屋なのだが、先月行ったときは満席で1時間待ちと言われたのだった。今でも、あまり風景が変わっていない。

 

 シスレーの人生については、私が数年前に書いたこのブログが詳しい。

http://franceartsanpo.blog.fc2.com/blog-entry-4.html

 

 モネとシスレー、二人とも屋外の自然を中心に描き続けた画家だが、カミーユピサロもその中に入れて良いかもしれない。

 

 カミーユピサロの作品にも惹かれた。下↓の2点。穏やかな田園の風景、日の光。明るい色彩。オルセー美術館の中で、私が特に惹かれた作品だ。

 

 前回オルセー美術館に行ったときの写真を見返した 。昨年2月5日に、オルセー美術館を見学したのだが、撮った写真は、彫刻、フランソワ・ミレーの作品、カイユボットの新しく美術館が取得した作品、ドガの作品、アール・ヌーヴォーの家具たちなど。今回、撮影した作品と全く違っていた。私自身の心やからだの状態によっても、惹きつけられる作品は、違って来るのだろう。

 


 オルセー美術館くらい大きくなると 、すべての展示作品を一回の入場で見尽くすというのは、相当な体力がいる。私も午前中に入場し、お昼ご飯を美術館内のレストランでいただいて、見尽くそうと頑張った時期もあった。

 


 最近は、自分の心に従って見ている。今、自分が見たいものを見る。すべてを見ることなどできないのだ。興味がある作品もその時の心理状態等に、左右される。短時間で出ることもある。それもまた、贅沢なことだと、思う。