夏は冒険したくなる季節。
8月、私は、ラ•ロッシュ•ギヨン辺りに行きたくなった。夏のヴェクサン地方は素晴らしい。だが、公共交通機関で行くには遠い。その日は夕方から用事もあった。
2016年ラ•ロッシュ•ギヨン訪問記
http://franceartsanpo.blog.fc2.com/blog-entry-14.html
もっと近い場所はないかな?
パリからそこまで遠くないセーヌ川沿いの町で印象派の絵画に出てくるような牧歌的雰囲気を残した場所はないだろうか。
私の頭の中には緑に覆われ蛇行するセーヌ川があった。
グーグルマップでラ•ロッシュ•ギヨンやヴェトイユのあるセーヌ川を辿った。
印象派の画家、クロード・モネの絵画には、アルジャントゥイユという街がしばしば出てくるけれど、この街は大きく発展して印象派を思わせる雰囲気はほとんど残ってないと耳した。そのアルジャントゥイユより少し進んだ場所セーヌ川沿いにラ•フレットという町があった。
フランス語のLa Frette-sur-Seineのウィキペディアの説明がこれ↓で、セザンヌ、マルケ、シニャックなどたくさんの画家とゆかりがあったと書いてある。
https://fr.m.wikipedia.org/wiki/La_Frette-sur-Seine
おー、これだ! 写真で見る限りこのイメージだ。サン・ラザール駅から近郊列車に乗った。少し歩こうと一つ先のエルブレイ•シュル•セーヌ(Herblay-sur-Seine)で降りてみた。
全く知らない町、予備知識なく初めての駅で列車を降りる。それだけで“冒険”である。ちょっと、どきどき。
川沿いに向けて坂を下に下に下った。
すると川に出た。セーヌ川である。パリ市内の石に囲まれたセーヌ川とは全く違う。お天気も良く花も咲いていて、良い雰囲気。
川沿いの桟橋に行列があり、船が到着している。なんだろう。船頭さんに尋ねるとそれは、夏の週末だけの渡し船だった。船は中央にある島と結ばれ、往復しているという。無料。出発間際に飛び乗った。
船に乗ったときの動画
まさかセーヌ川を短い時間とはいえ、船で渡る機会がやって来ようとは。セーヌ川の真ん中にいて船の上から写真を撮る。同じセーヌ川とはいえ、パリ市内ポン・ヌフからの景色とは大違い。
緑溢れる丘の上に教会の塔が見えている。
下の2枚は上陸した島での写真。なかなか広そうな島だったが、あまり時間がなかったので島は探検せず、すぐに帰りの船に乗った。だが、人は少ないし、家族でのんびりしたり、日光浴するのにぴったりに見えた。
下の3枚は帰りの船にて。
【この船についての情報】
このあと、川沿いをラ•フレットに向けて歩いた。
右側に写真のようなセーヌ川を時折見ながら進んだ。
左手斜面には別荘か住宅が並んでいる。
途中に川のテラスのレストランもあって賑わっていた。
川沿いを約30分歩くと、絵のパネルが現れた。マルケやドヴィニーなどの絵のパネルを見つけた。
川沿いを中心に町の至るところに、19のパネルが置かれているようだ。
さらに進むと教会が見えてきた。
この写真が撮れる位置にパネルが一枚あって、それは、日本人画家Tadashi Kaminagai (1899-1982、上永井正) のものだった。
セーヌ川を船が行き交う。
階段や坂を登りラ•フレットの駅へ。
往復利用したサン・ラザール駅↓。モネもこの駅を描いている。
この駅、さすが風情あるなあ。
往復利用した列車の車内