パリ徒然草

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マスク不足① アジアとヨーロッパの違いも感じる

 「戦争」を連呼して緊張感を煽るよりマスクをーと私は18日のブログに書いたわけだが、医療現場でのマスク不足の問題はフランスのテレビでその頃から連日のように報道されてきた。今日3月30日も医療現場が待ち続けているマスク800万枚がロシアの会社の特別輸送の大型飛行機Antonov-124で、パリ近郊の空港に中国から届いたと報道されていた。

https://france3-regions.francetvinfo.fr/grand-est/marne/chalons-en-champagne/aeroport-paris-vatry/coronavirus-millions-masques-venant-chine-attendus-vatry-ce-lundi-30-mars-1808126.html


 フランスのオリビエ・ベラン保健相は28日の記者会見で、仏国内の医療用マスクの製造能力は1週間当たり、800万枚で、現在必要な週4千万枚の需要に間に合わないため、10億枚を中国に発注した、と述べていた。中国に発注しようとても、武漢を中心とした新型コロナウイルスコロナウイルスの問題で工場が稼働していない時期もあった。世界的なパンデミックとなった今、マスクは各国で不足し、獲得競争になっている。一方、新たに紙や繊維を扱う24のフランスの企業が開発し一日48万枚のマスク(こちらは医療機関用ではなく個人用)を作っているとも述べた。

 気になるニュースもある。オランダ保健省は28日、中国から輸入したマスクを新型コロナウイルスと闘う病院に配布したのだが、その後品質基準を満たしていないため回収していると発表した。顔に適切に密着しない、フィルターに欠陥がある、などの問題があったという。医療機関に配布する、医療関係者の安全を守る物を輸入に頼らざるを得ない弊害を感じてしまう。

 
 私自身何軒も薬局を探し回り、薬局に注文して待っていたのだが、結局フランスでは手に入れられなかったマスク。ヨーロッパにはもともとマスクを外でする習慣がなく、病人がするものという考えで、あまり売っていなかった。WHO(世界保健機関)は、マスクは予防には役立たないと言っているわけだが、専門家の中にも一定の効果はあると言っている人もいて、感染から抜け出した中国や、感染者がヨーロッパほど爆発的に増えていない日本ではマスクすべきだと言っているし、同じく28日の記者会見で専門家もコロナウイルスは症状がない潜伏期間にも感染力があるということで、もしかしたら感染しているのかもしれない私の飛沫をほかの人に飛ばさないためにも、外出時はマスクしようと思う。

 YOUTUBEを見ながら、ハンカチを切って手縫いで手作りした。出来上がったものは私にはいい感じなのに、夫の顔にはめてみると、鼻と頬の部分に隙間ができてしまう。オランダ保健省が言う、顔に適切に密着しないというのは、ヨーロッパ人の顔とアジア人の顔の彫りの深さの違いでもあるのかもしれない。

 薬局にマスクを注文したとき、マスク一個の価格は7ユーロ(約800円)で、5時間しか使えないと言われた。WHOも、ウィルスを完璧に防御できるマスクは、N95 など規格に合ったマスクだけ、一度付けたらマスクに触らない、など使い方についても強調していて、ヨーロッパ的な完璧さ、を感じる。アジア人の気休めでもマスクしていよう、日本人のマスクであればガーゼやハンカチ素材でもいい、中国人の生理ナプキンでもマスクという感覚とは随分違う気がする。

 近くの八百屋の販売員の男性がしっかり規格に合ってそうなゴツいマスクをして野菜を売っていた。SF映画の世界の中にいるみたいだ。