パリ徒然草

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日本のやり方は参考にされていい 緊急事態宣言に思う

 日本の緊急事態宣言について海外在住日本人たちが、ぬるい、とか、もっと危機感を持とう、とか言っている。いや、違うだろう。

 ぬるすぎたのは、今、罰則ある外出制限しないといけなくなっている国々の方だろう? 水際対策がぬるすぎたのか、行政が甘く見すぎていたのか、各個人が気を付けなかったのか?  
 死者の数、ICUにいる人の数を見ながら政策を考えるのは政府として当然だ。新型コロナウイルスだけ制御しても、自殺者やホームレスが増えていいのか? どの国にも自治体にも危機管理マニュアルというのがあるだろう。専門家の意見も聞きながら全体を見る必要がある。国による政治体制や法律の違いもある。新しいウイルスに対してどの国のやり方が一番良かったのかは、数年後に知ることになるのだ。

 「家から出るな。怖がれ」とYou Tubeで日本語で叫んでいる人が、いる。NY在住者が多いようだ。つい検索の一番上に出てくるので見てしまった。新型コロナウイルスを広げないために家から出るな、は正しい。でも、それを聞いた人が、病院に行って薬をもらえないと体調悪くなる人だったら? 外に出ないと仕事にならない人だったら? そういう人をさらに怖がらせて免疫下げて何になるの? 日本は、3月初めごろから新型コロナウイルスを怖がって来た国なのだ。 全然家から出ずに2ヶ月、3ヶ月暮らすことなんて無理だ。

 日本の友達に「こっちのやり方は甘く見えるでしょ?」と聞かれた。いやいや、死者数だけ見れば、まだこっちより全然大したことないから、ゆったり構えていいと思うよ。これまで頑張って来たと思うよ。今まで以上に変に怖がることもないんじゃないかなあ。

 私は2月末ごろから頑張って外出しないようにしてきた日本在住日本人を何人か知っているので自粛要請で長引いてて、疲れている人も多く、可哀想とも思う。でも、今のところ、まだフランスに比べて自由がある。母に電話したら近くに住む叔母が来てお茶飲んでいる、と電話切られた。いいことだー。フランスでそんなことしてるのがバレたらまずは警察に135ユーロの(16000円)の罰金。5,6回したら刑務所入れられるかも。。。自分の親に会いに行くのさえ、もしかしたら警察に135ユーロ取られるかも、と思いながら行かないといけないほどの不自由さは日本にはないはずだ。

 私が今、日本にいたなら、ホームシアターを買いに行く。プロジェクターに映像を写して映画を楽しむ。日本政府はスピードがないと批判する人もいるようだけど籠るための準備期間になった、とも言える。私は家に籠る準備する時間がなかった。大統領宣言から2日後に店が閉まり、その1日後の大統領宣言から16時間後に外出で罰金取られるようになった。アマゾンも贅沢品は今は配達していない。

 マスク作ろうと思っても、ゴムも売り切れで買えず、布も持ってないから、着ない洋服引っ張り出してどれなら切って使えるか、考えている。それでもケーキ焼けたり、TVやDVDも大画面で見れる私なんかいい方で、ワーホリや留学で来た日本人たちは、持ち物最小限だろうから、何をして過ごしているだろう。

 家はあまりにも静かなので、すべてフェイクで何も起こっていないのでは、と思った。6日ぶりに外に出た。救急車を見た。3人乗っていて、武漢やイタリアをニュースで見た宇宙服のような白い服を着ていて、救急車は私の家の前を凄い勢いで通り過ぎた。やっぱり夢じゃなかったかあ。。。そのうえ、家からあまり遠くないな。やっぱり家にすぐ引き返した。(今日は、救急車の音結構聞こえる)

 フランス人に日本のやり方を教えてあげたい。特に老人ホームでどうやって感染を防いでいるのか(最近、広島県で感染があったようで心配ではあるが)。きっと行政の指導もあって、とても小さなことに1人ひとり働いている方々が、気をつけているのだ。「3密を避けよう」という政府の広報の仕方も1人ひとりにとても分かりやすい。それはフランスにとって、5月11日に外出制限を解いたときの参考になるのではないだろうか。大きなお世話かな。。。

 
 
参考記事 https://s.rbbtoday.com/article/2020/04/09/178218.amp.html