再ロックダウン1日目には「落ち着いている」だとか、「根拠のない希望を感じている」ーと、書いた私だが、刺激のない日々に、少し鬱っぽくなってきた。だんだん寒くなる。だんだん暗くなる時間が早くなる。そういう時期のパリでもある。
警官は数台の車とともにたくさん見る日もあれば、そうでない日もあるが、出かけると、1キロメートル過ぎると買い物でも気になる。現実的には、家から1キロメートル圏内で相当贅沢な食材が調達できる。南フランスの海のそばにいたときとはかけ離れた食材の豊富さがある。警察官にもし質問されたら、どう説明しよう、と思ってしまう。
出かける前に、外出証明書、マスクを忘れていないか、確認。。。この、自由でない感じがストレスだ。
アジア人を襲おうとネットで呼びかけていると聞けば、通りやお店でニーハオとしばしば話しかけられるのも怖い。
この状態を私は軟禁状態と呼んでいる。
GIFIという生活用品のお店に3回行ったが閉まっていた。せっかくプラスチックの大きな収納箱を長さを測ってこの商品を買おうと決めたのに。
他の買い物して最後に買おうと思っていたら、1回目来店時は開いていたのに、2回目の来店時、午後4時前に閉まってしまった。翌日朝早く行ってもまた閉まっていた。その翌日も閉まっていた。運が悪い。
後で、ネットニュースを見たら、数日前にパリ近郊オーべービリエのGIFIで、“非必需品”を売らないことでトラブルになり、客が店員に暴力を振るっていた。そのことが影響して全店閉店したのかもしれない。
私が最初に店に行ったときも、収納箱は売るけど、調理器具は“非必需品“なので予約しないと、買えないーということだった。確かにその線引き、理解不能だ。だからといって、暴力は許されない。
乾電池を捨てるためスーパーに持っていったら日曜日は捨てられない、と言われ、捨てることができなかった。万事こんな感じの日々だ。
花屋は先週日曜日までの営業らしい、大量の花を捨てている、と聞いたのに、売っている店が何軒かある。窓口があってclick and correctといわれるフランス政府が推奨するシステムをきちんと守っている店もあるが、予約せずその場で選んで大量に買っている人を見かけた。まだ20日あるロックダウン中に花は心を安らげてくれるし、売ってくれるなら、と私も鉢植えを2つ買った。
フランスの新聞ル•パリジャンのサイトによると、フランス経済相は、「花や本などの“非必需品“についてネットか電話で予約して引き取りに行くclick and correctはOKだが、直接交渉して買うのはNGだ」と言っている。ウインドー越しに見える商品を指差してその場で決めて買うのも、本来的には、駄目のようだ。
土曜日午後、スーパーや公園、市場にいつもの3倍くらいの人が集中しているのを見た。新型コロナウイルスの蔓延という観点から怖いものがある。風邪の流行もそうだが、人ごみに行けば、かかりやすいものだ。
数少ない"娯楽"施設に、人々が集中する。この状態を見ていると、パリから脱出してくれた人たちがいて助かったと思う。
私は人が多い場所には、近づかない努力をしている。そのために料理の味が多少落ちたり、料理が一品減っても、今日は公園行けなくてもいいではないか。せめてそういう努力はしよう。自分を守るためでもある。
今回のコンフィニモンは前回3月からのコンフィニモンに比べると、公園では、たくさんの子供たちが遊んでいたり、通りにも人が多く、開いているお店も多いので、それだけ見れば、あまり通常と変わらないように思うかもしれない。
だが、3月から普段のストレスに加え、新型コロナウイルス自体への恐怖というストレス、新型コロナウイルスによる政府の措置の変化への対応というストレス、不平等感…簡単にキレてしまう人は多いと思っていた方がいい。
自分の鬱への対処法を考えた。
朝のジョギングだ。
今こそ、ジョギングである。
日曜日午前9時に走ってみた。他にも走っている人がいる。でも前回のコンフィヌモン中、パリで午前10時まで午後7時以降などと時間制限があった頃に比べれば、3割程度の人しか、いない。人がバラけるからいいのだ。
自分のペースで走ることができた。もう少し早い時間に走るともっといいかもしれない。ジョギングしている人にマスクしている人はいない。だから私もマスクはしない。ジョギングにマスクは前も良く見えず危険だ。
息ができる。口に風が当たる。口に太陽の光が当たる。当たり前のことに喜びを感じる。今日から毎日走ろう。
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