パリ徒然草

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ベネックス監督亡くなる 初長編映画「ディーバ」をDVDで鑑賞

 1980年代のフランスを代表する映画監督、ジャン・ジャック・ベネックス監督が13日、パリの自宅で死去した、と複数のメディアが伝えている。75歳だった。長く闘病していたという。

 パリ生まれ。81年に発表した初長編「ディーバ」で、独創的な映像美を評価された。


 久しぶりにこの「ディーバ」を、監督への追悼の意味も込めてDVDで鑑賞した。大好きな作品なのでDVDを持ってっていたのだ。


 あらすじ。自分の歌声を決して録音させないことで知られる人気オペラ歌手のシンシア・ホーキンス。大ファンである郵便配達人のジュールは彼女のコンサートで、その歌声を盗み録りする。さらにジュールは売春組織の重要な情報が録音されたテープを偶然、手にしてしまう。2つの極秘テープを巡る攻防と、ジュールのディーバ(歌姫)であるシンシアへの愛の行方が主なストーリー。ジュールを助けるゴロデッシュやベトナム人少女、アルバもユニークなキャラクターで脇を固める。

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 私がこの映画で最も好きなシーンはこちら。ジュールとシンシアが初めて触れ合うシーン。「Sentimental Walk」(ウラジミール・コスマ作曲)のピアノだけの美しい曲も、素敵。

Sentimental Walk
https://youtu.be/lN_8qFinDBM

 改めて、この映像の撮影された場所は、凱旋門、リボリ通り、チュイリー公園、コンコルド広場から遠くに見えるエッフェル塔かなあ、などと思いながら鑑賞した。いつか、明け方のパリを映画のロケ地を探して、歩いてみたい。この映画のもう一つの主役はパリと言えるかもしれない。

 映画冒頭の劇場は、ブッフ•デュ•ノール劇場(Théâtre des Bouffes-du-Nord)、ラストシーンの劇場は、シャトレ劇場である。長年パリに住んでいるのにどちらにも行ったことがない。観劇を兼ねて行きたいものだ。

冒頭のブッフ•デュ•ノール劇場でのシーン
https://youtu.be/xMJVVDgIS2o

 私にとってサスペンスとして楽しむというより、映像美を鑑賞する作品。何度見ても発見がある。

 今回は、この映画の色へのこだわりを改めて思った。ゴロデッシュのアパートの内装がカッコよくて、ブルーが印象的だったのだが、ジュールが乗るバイクの黄色や赤、シンシアのドレスの白、アルバのショッキングピンクの衣装、最後のシンシアのスーツの黄色など、色が効果的に使われて印象的だと改めて思った。

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 日本では、ベネックス監督は、「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」の方が良く知られているかもしれない。

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【私が持っているベネックス監督の2本のDVD】

ジャン=ジャック・ベネックス
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

ディーバ(映画)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%90_(%E6%98%A0%E7%94%BB)