パリ徒然草

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夏のミディ・ピレネーの旅① コンクへの道


 夏は、毎年、コート・ダジュールの海に行ってきたが、今年は7月末から8月にかけて、ミディ・ピレネー地方に行った。ミディ・ピレネー地方の7泊8日の旅を紹介する。



 パリ、オーステリッツ駅を午後10時12分に出発した夜行列車はミディ・ピレネー地方のロデーズ(Rodez)に翌朝7時6分に着いた。写真は、ロデーズの一つ前の駅、サン・クリストフの駅で見た朝焼けだ。列車チケットは約1ヶ月半前により安い日を選んで購入して1人22ユーロだった。


 この後、駅前のカフェでコーヒーとクロワッサンの朝食を摂る。そして、コンク行きのバスに乗った。

 これが、私が乗ったバスの時刻。バス代は一人2ユーロ。

 こちらが2022年夏時点の時刻表。

 ロデーズ発は直行が平日1日2便(8時45分発と13時45分発)。帰りのコンク発は午前10時発の一本だけ。それでも、このバスがとても、ありがたい。

 今回時刻表を掲載したのも、約15年前コンクを訪れた時はバスが1日一便なのだが、夕方17時過ぎコンク着、朝8時発の一便で、私は一泊したのに、村を散策して、食事を取っただけで、ほぼ見学なしで出発する羽目となった。あの頃よりバスの時刻がずっとアクセスしやすくなっていてありがたい。


 バスは山間のくねくねした道を進んだ。
 

 コンクは10年以上前から日本のガイドブック「地球の歩き方」で「最も美しい村」として紹介されて日本人観光客もしばしば訪れる村だが、バスや車で訪れるのは、邪道と言えるかもしれない。スペイン、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路「ル・ピュイの道」の中でも重要な村。巡礼者として、徒歩で歩いて入る人たちを何人も見かけた。長い道のりを歩き、抱き合って到着を喜ぶ人もいた。


 私も、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の一部を合計約5時間ほど歩いた。コンクをさらに登ると、視界が広がり雄大な自然の中の道をサン•マルセルという集落まで歩いた。


サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路のうちの約20%がこのように車も通れる道なのだという。車の運転手に注意を呼びかける標識がある】


【行く道の途中で、サン•マルセルにある小さな礼拝堂に立ち寄る】

 別の日にはコンクを下り、ドゥルドゥー川に中世に架けられたロマンネスク様式の橋を渡り、山の中にあるサント•フォア礼拝堂まで登ってさらに山を進んだ。私が歩いたのは、ほんの一部だけれど、良い道だなあ、と思った。




 大自然に抱かれて、美しいアーチの中世の橋を見ながらドゥルドゥー川の清流に足をつけるのも気持ちが良かった。 

 義母が60歳ごろにル・ピュイからコンクまでの200㌔㍍以上の道を12日間かけて歩いている。凄いなあ。そして、夫も同じ道を歩きたいらしく私を誘ってくる。いやあ、1日20㌔㍍も毎日、歩くのは、ちょっと....。


 それとは別にコンクの村を四方から眺めるため、徒歩で絶景が望める場所に登った。

 城壁に囲まれた美しい村コンク。さまざまな角度から見るのも面白い。

 清々しい気分になれる場所。聖地にふさわしい場所だと感じた。