パリ徒然草

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パリ近郊そぞろ歩き⑥ 温泉保養地アンギャン=レ=バン

 

 「温泉に行きたしと思えども、パリから温泉はあまりにも遠し」。(朔太郎のフランスに行きたし…をもじった)

 

 いや、実はそんなことはない。

 パリ近郊に温泉地が存在する。

 パリから最も近い温泉保養地アンギャン=レ=バン。パリから約10キロメートル。

 

 

 残念ながら、現在、日本のように1000円、2000円で立ち寄り湯が楽しめる温泉施設はない。以前に温泉施設を併設するホテルに尋ねたところ、スパ利用だけで90ユーロくらいの値段を言われたので、それなら宿泊した方がと思い、まだ私は宿泊が実現していない。例えば、HÔTEL BARRIÈRE LE GRAND HÔTELに宿泊すると、スパ利用ができる。日にちにもよるが、一泊180ユーロくらいからある。

 

 友人で宿泊した人は、カジノを楽しみ、カジノで一攫千金を手にしたので、そのお金で全身のエステを楽しみ、優雅な時間を過ごせたと話していた。

 

 アンギャン=レ=バンは、アンギャン湖、カジノとともに1850年にイル=ド=フランスのユニークな温泉保養地として、コミューンとなった。

 

 コミューン面積はわずか177ヘクタールしかなく、湖はそのうち43ヘクタールを占める。郊外住宅地が優勢で、コミューンの約49%となっている。この土地は大部分が19世紀の中産階級の所有である。商業中心地であるジェネラル・ド・ゴール通り、鉄道駅が中心部となっており、小規模から中規模の、4階または5階建ての建物が並ぶ。

 


 アンギャン=レ=バンは、ベルギーの自治体アンギャン(Enghien)にちなんでいる。中世のアンギャンは、ブリュッセル近郊にある、エノー伯の小さな領地であった。

 1766年、池の水路の水中から硫黄が見つかった。1787年5月24日付けのル・ジュルナル・ド・パリ紙は、コンデ公の秘書が、アンギャンの水の効能によっていかに10年間苛まれてきた病を癒したかを記事にした。記事によって温泉へやってくる客が増加した。

 


 1823年、主治医アントワーヌ・ポルタルの助言に従い、ルイ18世はアンギャンからくんだ水で太ももの潰瘍を治した。温泉の町は突如として流行の場所となった。こうして、温泉施設が整備され、社交の場ともなっていった。

 

 9月初めのある日、温泉は近くても遠しだな、と思いながらアンギャン湖の周りを歩いてみた(写真はすべてその時撮影)。住宅地私有地が多く、湖の水辺を見ながらずっと歩き続けるというわけには行かなかった。

 

 パリ北駅から近郊列車H線で30分くらい。公共交通機関に慣れている人ならパリ滞在時に一泊くらいアンギャン=レ=バンのホテルに泊まるのも面白いのかもしれない。

 

 

アンギャン=レ=バン

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%AC%EF%BC%9D%E3%83%90%E3%83%B3