パリ徒然草

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実の母親が娘に「嫉妬」する

 日本帰国後、実家滞在後、たまたま、おすすめに上がった、下のYouTubeを見た。そのとき、私には、この動画がす~っと心に入ってきた。

 

実の母親が娘に嫉妬する心理

https://youtu.be/6GYGN9zI-dU

 

 実の母親が娘に嫉妬するなんて!!!

 

 そんなことがあるんだろうか。

 

 シンデレラや白雪姫などの昔話でも、継母は娘にイジワルし、実の娘と差別するけれど、実の娘は可愛がっていた。実の娘への嫉妬、そんな話は聞いたことがない、と最初は思った。

 

 動画の中の母親の自己愛度チェックというのがあるのだが、そのチェック1にガツンとやられた。

「母親が娘の女性としての成長を喜んでくれない」。

 うわ~、これ、あったなあ、というエピソードを思い出した。

 

 チェック9まで、あるので、気になる女性はやってみてほしい。私は9項目のうち、チェック1、3、4、5、6、8が当てはまった。

 

 このうち、チェック3「周囲からの評価を下げようとする」は、子供の頃、母が電話で私の悪口を、叔母に話し続けていたことを思い出した。

 

 チェック5「話題の中心はいつも母親」は、今でもそうだ。「娘の愚痴を親が聞くなんてする必要ない」と言われたことも何度か、ある。私のことを相談すると、私の娘時代はもっと、酷い目に遭った、と昔のトラウマを聞かされる。

 

 教師にイジメられていたと相談したとき、母に「私なんて小学生で共働き教師の子供の面倒をみていたのよ(エッヘンと自慢する母、おいおい、小学生で無償労働???)、そのくらい先生にはしてあげないとね。あなたはそのくらいのことを先生にしてあげてるの?」ーと返された。言っていること、おかしいって気づいてなさそう。ははは。

 

 チェック9項目にはないが、母による娘への息子との差別も、私には自己評価を下げる要因だった。男兄弟や従兄弟たちがいなければ、それを感じることがないが、娘への家事労働への強制参加と息子への家事労働の免除。息子は多くの自由時間を与えられる。娘は何歳になっても、いくら稼ごうが、延々と奉公人。。。掃除、皿洗いはさせられるが、料理は教えてもらえず、お菓子作りに台所使うのは嫌悪された。

 

 さらに原因についての分析もある。パターン1から5まであるが、私の母親の場合、パターン2の母親自身が自分の母親に不満や怒りを抱えているーこれが当てはまりそうである。

 

 実際に私の母が自分の母親の悪口を言っているのを何度か、聞いたことがあるし、母方の祖母が5歳だった私をレストランに連れて行ったとき、私は生まれてはじめての経験が楽しくて仕方なかったのだが、母が「こどもを夜遅くまで連れ回して!!!」とおばあちゃんに強烈に怒っていた姿がいまだ記憶にある。

 

 そうはいっても、パターン3,4,5にも当てはまり、複合した要因がありそう、総じて母自身が幸せだと感じることができなかったことが大きい。専業主婦に家事、育児のすべてを押し付けた時代の社会背景もあるだろう。

 

 今更、母を責めるつもりでこれを書いていない。無意識の世界の話でもある。そして、私自身が内省する意味で書いている。なぜなら、そのような教育を受けてしまった私は、母と似たようなところ、母の考えを受け継いでしまったところもあるだろうと思うからだ。母が私にしたことを私も他人にしているかもしれない。

 

 ありがとう、YouTubeのこの動画!!!「嫉妬」という視点をくれた。これまで、自分の母親が自分に嫉妬しているなんて、思いつきもしなかった。

 

 「母、娘、嫉妬」で検索すると、心療内科精神科医、カウンセラーなどのブログやサイトに当たった。多くの女性がこのせいで問題を抱えて生きているのだ。萩尾望都さんの少女漫画や角田光代さんの小説でも取り上げられたテーマではあるようだ。

 

 それでも、「母による娘への嫉妬」は、まだまだ、一般的に語られていない。でも、きっと、とても、ありふれた出来事で、そこかしこにある。

 

 大事なのは、母を責めることではない。ただ、そこから、何かを気づいて、母による呪縛から娘が自由になることだ。