パリ徒然草

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アニー•エルノーさんにノーベル文学賞

 今年のノーベル文学賞に小説「シンプルな情熱」などで知られるフランスの作家・アニー•エルノーさんが選ばれた。

 アニー•エルノーさんの小説「Passion simple」は私も原書で読みました。日本では早川書房から「シンプルな情熱」というタイトルで出版されている。

 

 2021年9月にこの小説が原作となった映画を見たときのブログです。

https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2021/09/09/054655

 

 ウィキペディアによると、アニー・エルノーさんの著書のほとんどが自伝小説であり、ノルマンディー地域圏のイヴトでの子供時代(とりわけ両親が経営していた食料雑貨店兼カフェでの生活)から結婚、出産、子育ての経験、そして晩年の両親などを描いている。特にマルグリット・デュラス賞ほか複数の賞を受賞した『歳月 (Les Années)』には両親の生い立ちから死までを含む半世紀以上にわたる時代の流れを背景にアニー・エルノーの個人史が描かれている

 さらに個々の体験として、父親と母親それぞれの生と死を描いた『場所』、『恥 (La Honte)』、自立を目指しながら1960年代の因習的な性役割を課される女性の葛藤を描いた『凍りついた女』、恋愛、性愛(セクシュアリティ)をテーマとした『シンプルな情熱』、『自分を失う (Se perdre)』、『嫉妬』、中絶の経験を中心に女性の生(性)を描いた『空っぽの箪笥 (Les Armoires vides)』、『事件』、老いをテーマとしてアルツハイマー病で亡くなった母親の晩年を描いた『「私の夜から出ていない」(« Je ne suis pas sortie de ma nuit »)、母親の死そして一人の女性としての生き方を描いた『ある女』、乳癌の治療を受けた経験を語る『写真の使い方 (L'Usage de la photo)を著した。

 また、これらの自伝小説以外にも、彼女が生きた時代・日常をスケッチ風の短い断章で描いた『戸外の日記』、『外的生活 (La Vie extérieure)、スーパーマーケットでの観察を通して消費社会を批判した『愛する人よ、あの輝きを見て (Regarde les lumières mon amour)』などがある。(ここまでウィキペディアより)

 

 中絶の経験を中心に女性の生(性)を描いた『事件』を原作にした映画『あのこと』はヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞。今年12月2日から日本で公開される。

https://youtu.be/yAV1PufAEaA