日本の旅館の朝食を前に、友人が「わ~、おごちそうー」と言ったとき、私の反応は、なんだ~日本の実家の朝ごはんと大して変わらないねーという酷いものだった。
【旅館の朝ごはん】
駄目だなあ。こういうときは、おごちそう!!!と友達に共感できる私でいたい。
日本の実家で朝食をどうしていたかというと、実家の母主導で毎朝、私から見ると、すごーい朝ごはんを用意するのである。一般の日本人家庭からすると、普通なのかもだが。
フランスの夫から見ると、それは、あり得ないことだった。朝から魚なんて、食べないのである。夫は朝からの大量の食事を前に涙目でこんなに食べれない、という顔をするので、夫がいるときは、母に文化の違いと説明し、夫用の朝食を私が準備していた。
私は夫用にコーヒーを手動で入れ(パリならコーヒーメーカーだけど)、冷凍のフランスパン(日本の田舎でまともなフランスパンを手に入れるのは、難しい)をありがたくオーブントースターで焼いた。バターはパリから持ってきた。フランスパンとコーヒー、それが夫の喜ぶ朝食なのである。(おかずだけでも、と勧めても食べなかった)
【実家の朝ごはんの例】
もちろん、私も、一日目は、日本の朝ごはんに感動した。厚釜の炊飯器で炊いた美味しい白ごはん。この炊飯器、パリまで、運ぼうかと思うほどだった。前の日の残りのおでんもあって、美味しかった。ただ、1週間、2週間過ぎると、朝食だけで作るのと片付けるの疲れちゃうわー、と思うようになった。
【実家の朝ごはんの例】
私も母と一緒に朝食の準備をした。鮭などを買いに行くこともあった。そして、朝食の片付けは毎回私がした。これ、毎朝、やるの一仕事だなあ。日本の妻たちはこれを毎朝、やっているのだろうか。やっているのよねえ。ぐーたらでごめんなさい。
フランス人夫で助かった。フランスの朝食は楽。朝ごはんだけで、どれだけ楽しているか、思い知った。ただ、私たちはバゲットだけは毎日、パン屋に買いに行っている。パン屋さんありがとう。
【カフェでのフランスの朝食の例。パン、カフェ・オ・レ、オレンジジュース、ジャムのシンプルな朝食も多い、パリではこれで8ユーロくらい】
(フランスの三ツ星以上のホテルでは朝食に卵料理やハム、ソーセージなどが出てくることもある。カンヌの高級ホテルでは朝食にたくさんの種類の食べ物がありシャンパン飲み放題だった)
ぐーたら、で、すみません。自分1人のためだけに日本の朝ごはん作っていない。今後も作るような気がしない。
これを日本文化の破壊と感じる人も、いるのかもしれない。ごめんなさい。ごめんなさい。