パリ徒然草

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三島由紀夫ブーム?③ 日本未公開Mishimaの人生を題材にした映画も

  パリ中心地の文化施設イメージ・フォーラム(Forum des images)では、昨年10月から今月15日まで「日本・ミシマ・そして私」(Le Japon, Mishima et moi)が開催されていた。1月13日、私はこのイベントの一環、フランソワ•ヌーデルマンFrançois Noudelmann (ニューヨーク大学)教授の講演を聞いた。

 

 講演では、前回と同じく、ジム•ジャームッシュ監督のゴースト•ドッグ(1999年)の「葉隠」に関する部分や三島由紀夫監督、出演の「憂国」(1966年)の一部が上映された。

 

 また、ポール・シュレイダー監督の以下の映画も一部、上映された。

 

『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』ポール・シュレイダー監督、 1985年

https://youtu.be/egLftA_rGCk

 

 この映画を私は知らなかった。それもそのはず、日本未公開なのである。俳優、緒形拳三島由紀夫を演じた全編日本語の日米合作映画にもかかわらず。緒形拳さん、レストランでたまたまお見かけしたけど、オーラがある方だったなあ。へえ~、こんな映画があったんだと思って見た。

 

 若松孝二監督の三島由紀夫の最期を再現した映画も一部上映された。

 

「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」若松孝二監督 2012年

https://youtu.be/95VUlMPf5i0


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 ヌーデルマン教授は三島由紀夫の写真を見せながら、その人となりを紹介した。消費社会、欧米化に反発したカウンター・カルチャーの1人だが、心の奥に、すべての戦死者へのメランコリックな喪の悲しみを持ち続けた…などと語った。

 

 

 この日は1月6日よりさらに参加者が増えていた。70-80人いたのでは。講演の後の質疑応答も活発だった。

 ちなみに、三島由紀夫の著作のフランス語訳のほとんどが英語訳から翻訳されたものなのだそうだ。

 

 そして、1月14日は三島由紀夫の誕生日。私はフランス人から見た三島由紀夫論だけでは、物足りなくなってしまい、KINDELで日本語で3冊、三島由紀夫についての覚書や評伝を読んでしまった。