パリ徒然草

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平野啓一郎氏の2019年パリ講演レジュメを見つけた 三島由紀夫ブーム?➈

 そして、私は2023年2月末のある日、ホッチキスで留められた6ページの講演要旨を本棚から見つけたのだった。タイトルは『「大義」なき生と個人ー三島由紀夫の戦中戦後』。筆者は、三島由紀夫の再来とも言われる作家、平野啓一郎氏である。2019年11月8日、パリ ディドロ大学と書いてある。

 

 な~んだ。ここに答えがあったじゃないの、と私は思った。「なぜ、三島はあのような最期を迎えたのか」考え続けてきた私は、同じ問いを平野氏の講演要旨の中に、見つけた。同時に平野氏にとっての答えも見つけた。


 「青い鳥」の寓話のようだ。問いへの答えを探して、ネットの海に本の山の海に、迷い込んでいたが、なんだ、答えは自分の本棚にあったのだ。

 

 ただし、私はこの講演を聞いていない。フランス人の夫がこの講演を聞いて、このレジュメ(日本語)を私にくれたのだ。当時は忙しくて、よく目を通していなかった。通訳付きで夫は平野氏の肉声ではなく通訳されたフランス語で講演を理解した。

 

 さらに言うと、そもそも、初めパリのフォーラム•デ•イマージュでの三島についての講演に行ったのも夫が行くから付いてに行っただけだったのだ。その講演に行く前は、三島由紀夫についてブログで9回も書くなんて思っていなかった。

 

 平野氏のパリでの講演要旨を勝手にこのブログに書いていいのか、その場合は御本人に了解を得るべきなのか、分からないので、とりあえず、書かないでおく。

 

 平野啓一郎氏の「三島由紀夫論」が、新潮社から来月23日に発売される。この講演要旨と被る部分もあるのかもしれない。

https://www.shinchosha.co.jp/book/426010/

 

 平野氏のレジュメの中には、私の考えたこととはまったく逆だな、という一文もあった。私はもしかすると、平野氏よりもずっと、三島由紀夫を理想化してしまっているのかもしれない。あるいは、本の読み方が足りないのかもしれない。

 

 平野氏は「三島由紀夫論」の中で、三島由紀夫が亡くなった年に話していた「日本は緑色の蛇の呪いにかかっている」については、分析しているだろうか。

 

 『1970年9月3日スコットストークスが三島を食事に招いた(自決の二ヶ月半前)とき「食事の後、三島は再び暗い話を始めた。日本にはいろんな呪いがあり、歴史上に大きい役割を果たしてきたと言う。近衛家は、九代にわたって嗣子が夭折した云云。今夜は様子が違う。延々とのろいの話。日本全体が呪いにかかっていると言い出す。日本人は金に目がくらんだ。精神的伝統は滅び、物質主義がはびこり、醜い日本になった・・・と言いかけて、奇妙な比喩を持ち出した。
 『日本は緑色の蛇の呪いにかかっている』
 これを言う前に、一瞬だが、躊躇したような気がした。さらにこう説明した。
 『日本の胸には、緑色の蛇が喰いついている。この呪いから逃れる道はない』
 ブランディを飲んでいたが、酔って言ったのではないことは確実だ。どう解釈すればいいのか。』
(ヘンリー・スコット・ストークス『三島由紀夫 生と死』(清流出版、徳岡孝夫訳)

 

 「緑色の蛇」とは、なんだろう。ドル紙幣、アメリカなどの意見があるようだが、苫米地英人氏の「明治維新という名の洗脳」など10冊以上を読み、宇野正美を聞いている私としては、戦争にお金を貸した国際金融資本辺りかなと思っている。それとも、爬虫類型宇宙人レプティリアン旧約聖書に出てくるネピリムだろうか。

 

宇野正美氏講演

https://youtu.be/XxHEomoQ8vk

 

明治維新という名の洗脳

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