MAESTRO(S)という映画をパリで見た。小さな映画館なのに、お客さん多いね、大盛況と思っていたら、上映後、監督さんが登場。映画作りの裏話をお話してくださって、うわ~、パリにいるのねーと思ったひととき。
【映画を語るブルーノ・シッシュ監督】
MAESTRO(S)はこんな映画。
予告編YouTube
https://www.allocine.fr/film/fichefilm_gen_cfilm=291285.html
2022年12月7日劇場公開 / 1時間27分 / ドラマ / ブルーノ・シッシュ(Bruno Chiche)監督
イヴァン・アタルYvan Attal,ピエール・アルディティ Pierre Arditi, ミュウ・ミュウMiou-Miou出演
あらすじ
デュマール家は、父と息子が指揮者です。父フランソワは輝かしい国際的なキャリアを持ち、息子ドニはクラシック音楽の賞を獲得しました。フランソワは、彼の究極の夢であるミラノのスカラ座の指揮者に選ばれたことを知ったとき、自分の耳を信じることができませんでした。ところが、それは、間違いで、ドニはミラノに行くために選ばれたのは自分であることを知り、父にどう話すべきか悩みます...
父と息子の取り違え、面白い脚本だけれど、これは、2011年のイスラエル映画「フットノート(Footnote)」のリメイク。「フットノート」はカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞している。ちなみにこちらの父子は、同じヘブライ大学で教鞭を取っているという設定だった。
Footnoteの予告編
父子関係、国や職業違っても、人間ドラマがあるね。嫉妬、羨望、尊敬、競争心…etc。そういえば、精神科医のフロイトは男の子が父親を無意識的に憎むエディプスコンプレックスを提唱してたなあ。
ふいに私の父が、子どもたちに「同じ職業に就くな。大変だから」と言っていたのを思い出した。三島由紀夫も同じ言葉を子供に言っていたそうだ。
MAESTRO(S)は指揮者という設定なので、オーケストラの演奏が楽しめる。映画館でオーケストラの音楽を聴けるのも臨場感が違って、私はすっかり映画の世界に入り込み、大きな拍手を送った。
ところが、映画の余韻に浸る間もなく、監督さんの肉声で実は、ミラノじゃない場所で撮影したとか、オーケストラの音楽はプロの凄いミュージシャンの寄せ集めとか、聞いてしまった。いいのか悪いのか…。
映画の中では、パリ近郊、セーヌの中洲セガン島にある劇場施設「ラ・セーヌ・ミュージカル」が出てくるシーンもあった。この施設は日本人建築家、坂茂氏が設計した。
久しぶりにオーケストラの生演奏を聞きたくなってしまった。パリでも何度か、行った時期もあったのだけど、また行きたいなあ。