フランスの中規模程度の地方都市を訪れた場合、美術館(musée des beaux-arts)は、訪れる価値が大きいものであることが多い。私が特に思い出すのは、ルーアン、カンペール、モンペリエなどの美術館である。日本では、人だかりのできるような巨匠の絵も、独り占めでゆったり見ることができる。アンジェ美術館(Musée des beaux-arts d'Angers)もその一つだった。
アンジェの貴族ピエール=ルイ・エヴェイヤール・ド・リヴォワ侯爵をもとに、1801年に開館した。14世紀から現代までの絵画、彫刻などを所蔵している。ロココからはアントワーヌ・ヴァトー、ジャン・オノレ・フラゴナール、ジャン=バティスト・グルーズ、ジャン・シメオン・シャルダン、新古典主義からはドミニク・アングルなど。ロココ絵画のコレクションが名高い。
たくさんの素晴らしい絵画があったが、今回は5点だけ絞って写真で紹介する。
ロレンツォ•リッピ
ジャン・オノレ・フラゴナール
ジャン・オノレ・フラゴナール
ドミニク・アングル
この5点をじっくり見れただけでも、私は行った価値があった。でも、それ以外にも、美術史に出てくるような精巧に描かれた絵や彫刻がたくさんあるのである。
考古学の展示も少しあり、ギリシャ(?)の紀元前6世紀のグリフォン(架空の生物)に惹かれた。
この美術館の建物の周りを散策するのも楽しかった。