パリ徒然草

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朝散歩

 

 朝散歩の効果をご存知だろうか。朝起きてから1時間以内に15~30分の散歩をする。大事なのは、いちに、いちに、とリズミカルに歩くことだ。

 

 それだけで、セロトニンが活性化し、体内時計がリセットされ、「副交感神経」から「交感神経」への切り替えがうまくいき、自律神経が整えらる。ストレスフリーを目指すのに、こんなに効果的な健康習慣はないという。

 
 精神科医、樺沢紫苑先生のYou Tubeで朝散歩を知った。長年、精神科医としてメンタル疾患が治りやすい人と治りにくい人の特徴を観察。メンタル疾患が治りにくい人の特徴は、「昼まで寝ている」ことだった。

 実際に「昼まで寝ている」という患者さんが、「朝散歩」をはじめた途端に、症状が急激に改善する事例を多数観察し、現在では一般の人にも「朝散歩」をすすめている。何年も治らなかったうつ病パニック障害などのメンタル疾患が、朝散歩をするようになってから「ものすごくよくなった」という報告がたくさんあるという。

 メンタル疾患がない人でも「朝散歩」をすることで、午前中の仕事のパフォーマンスがアップし、睡眠も深くなる効果が得られるという。

 最近、私もできるだけ、朝散歩をするように心がけている。朝、通勤の道を歩くとき、いちに、いちに、と、リズミカルに5分程度、歩くこともあるし、公園でのラジオ体操に切り替えることもあるし、休みの日の午前中にパリ市内の公園を歩くこともある。雨の日は窓辺でのラジオ体操に変えている。

 ぐうたらな私の場合、毎日しなきゃとは思っていない。「べき」は自分で自分に課さないタイプ。しない、できない日もあって当然だし、疲れてて午前中はゆっくりしていて午後の公園に行くこともあった。

 

 それでいいのだ。

 

 2日続けて、休みの日に朝散歩をした。朝のパリの公園は清々しい。まだ、洗いたてのシャツ、まだ誰にも使われていないシーツのようだ。夜露に濡れた薔薇も美しい。清らかな光を放っている。

 公園には、小さなグループがたくさんいた。2、3人までのストレッチやヨガのグループレッスンである。1人の先生の命令通りに、生徒たちが懸命に体を動かしている。中には、若い男性インストラクターに年配女性が従うマンツーマンレッスン、女性インストラクターに、屈強な筋肉質の男性2人が従っているグループも。

【写真はパリ植物園の高山植物。朝露に濡れて可愛らしい】

 ごめ~ん。私は、今は、自分でお金払ってまで 、誰かに命令された通り運動して汗かきたくないなあ。でも、日本でも「○○道」とか、スポーツ科学があって、コーチや師匠について教えてもらう方が、自分で考えてやるよりも早道なのだ。頭では分かるので、いつか、私もこれをやりたくなるのかも。

 今思うのは、人の体は一人ひとり全然違っていて神秘だということ。宇野正美氏は言った。「人の体には60兆の細胞があって、宇宙と同じ」と。なんだか、今の私にはそれがピンと来た。

 

 2日目は少し遅く起きて歩いたら、既に太陽がさんさんとしていて、前日の早朝よりも、朝の光がいい感じ。そう言えば樺沢紫苑先生、朝散歩は歩きながらの瞑想だと言ってたなあ、と思い出し、公園をいちに、いちに、とリズミカルに歩きながら、公園の緑や花々を見ながら、息を吸って吐いてを繰り返した。 

【写真はパリ市内の公園で午前中に撮影。5月に撮影した写真も】